8 / 105
学校内食堂
あれから理事長室を出てそのまま先輩と食堂へ行った。
席についてタッチパネルを触っている。
・・・これ支払いの仕方はどうするんだろう。
「あの・・・先輩、これって支払いの仕方はどうするんですか?」
「ああ、銀行口座から毎回引き落としだ。
大体が親の口座からなんだが・・・多分、お前もそうだと思うぞ?」
「そうなんですか・・・ありがとうございます」
また、母さんや父さんに迷惑かけちゃったなぁ。
「ああ、そうだ。自己紹介がまだだったな。
俺は3年、風紀委員長の長谷川聖人だ。
困ったことがあったら直ぐに来い。
力になってやるから」
「ありがとうございます。
僕は神風悠眞です。悠眞と呼んでください。
御迷惑をおかけすると思いますが、よろしくお願いします」
「悠眞な、分かった。
俺のことは何とでも呼んでくれ」
「では長谷川先輩で。
よろしくお願いします」
そんな話をしている間にタッチパネルで頼んだ食べ物が来た。
因みに僕が頼んだのはボンゴレビアンコ。
量は少なくしてもらった。
最近・・・というか過度なストレスを感じた中学2年の時から徐々に食べられなくなっていったから。
「あっれ~?
いいんちょーが誰かと食べてるとか珍しーねぇ?」
ビクッ
びっくりした・・・。
この人、何だか僕の嫌いなタイプだ。
でも、悟られないように、普通の明るい子を演じなきゃ。
「ああ、沢樹か・・・。
悠眞、こいつは俺と同じ3年の沢樹雅〈サワキミヤビ〉。
こう見えても生徒会役員で会計だ」
「生徒会役員、ですか・・・」
・・・・・・こんな人が役員で大丈夫なのか?
って失礼か。
「いいんちょ~、この子だぁれぇ?
新入生だよねぇ?」
たらたらした喋り方。
いかにもやる気ありませんって感じ。
「僕は神風悠眞と言います。
よろしくお願いします」
「ふ~ん、悠眞くんかぁ。
よく見ると美形だねぇ~?
ボクこの子お気に入り~~~!」
ぎゅー、っと沢樹先輩が抱きついてきた。
・・・邪魔だ。
でもそんな風に思ってることは悟られないように笑う。
──僕はいつまで、自分を偽り続けるんだろう。
ともだちにシェアしよう!