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教室へ

「ふぅ・・・・・・」 疲れた、、、。 やっぱり人混みは苦手だなぁ。 何を思われているのか、何を言われているか。 次々それを脳が勝手に考える。 考えたくなど、無いというのに。 あ、そうだ・・・教室に行かないといけないんだった。 確か・・・・・・・、1-S? よく分からないけど政信叔父様に渡された身分証明書(学生証)にそう書いてある。 担任の先生、優しい人がいいなぁ。 そういえば、どうして僕はSクラスなんだろう。 沢樹先輩にSクラスに入る条件を聞いたが 「Sクラスに入る条件はねぇ~、家柄が良くてぇ・・・顔が良い人とぉ~、成績優秀者かぁ、何か卓越した才能がある人だよぉ~~?」 と言っていた。 特に僕は家柄が良いわけでもない(知らない)し、顔が良いわけでも、、、。 成績優秀じゃないし卓越した才能があるわけでもない。 ・・・・・・接客ぐらいならできるけど← あ、関係ないか。 うーん・・・、政信叔父様、可哀想だからって入れてくれたのかな。 普通のクラスで良かったのに。 僕は、普通がいいのに。 まあ得意な教科と言えば国語と声楽。 声楽の方は特に褒められる。 それは嬉しいこと。唯一学校に来てやることで好きだから。 ここの学校では上手くいくだろうか。 ・・・やっぱり、怖いんだ。全てが。 また、いじめられないか。 そればかり無意識に考える。 ・・・まだ、教室行かなくてもいいかな。 昼休みの時間はまだあるそうだし。 確か・・・、中庭がこの近くにあったはず。 寄ってみよう。 今は春だから気持ちよさそうだなぁ。

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