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最終話
「只今」
そう玄関の扉を開けた俺は大きなじんべいザメのぬいぐるみと、稜ちゃんと一緒だった。
夕方まで足腰が立たなかった俺を送ってくれた稜ちゃんに、出迎えて来た母さんは軽い挨拶をする。
「あら、お隣の稜稀くん。久し振り」
と。
ハア?と二人の顔を見合わせる俺は一人理解出来ずにいた。
稜ちゃんは少しバツの悪い顔をしてお久し振りですと答えていた。
え?何?この反応と更に困惑する俺は、コレから稜ちゃんと友達以上恋人未満の関係を築く前に、お隣さん同士言う間柄を得てしまった。
「えーっと、その…、言えなかった…」
と、言う稜ちゃんの言葉で。そして、俺はお隣のお兄ちゃんと夏よりも暑い恋をする事になるのだった。
END
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