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第42話

☆買い物☆ あれから数日経った。 今日は土曜日。 天気は曇り。 俺は今だに東条 千秋に真実を告げられずにいる。 噂で俺の名前がでていなかったことはいい。 名前なんかだされたら子分に何をされるかわかったもんじゃないしさ。 でも俺は東条 千秋の待つ場所を訪れなかった。 何故か…それは、あの『怒らせなければ』という言葉が頭の中でずっと響いていたからだ。 俺が東条 千秋に本当のことを言ったらどうなるのか、自分なりに想像した。 殴る蹴る、他諸々。 結構酷い所までいきすぎたから余計に怖くなった。 透にだって言われたのにな。 俺って酷いやつかな…。 「1358円です」 「あっ、はい」 考え事に耽っていて、女の人の声に意識を戻す。 一瞬、驚いた表情を見せれば相手に不思議そうな顔でみられるから苦笑いをした。 現在、俺は家の近くにあるスーパーへ買い物に来ている。 勿論、晩御飯とか明日の食材を買いに来た。 スーパーで流れている曲が聞こえる。 オルゴールに似た音だな…ちょっと落ちつくかも。 「ちょうどですね。レシートは…」 「結構です」 なんて考え、買い物を終わらせて会計を済ませ外に出た。 思ったより買い物してしまったようで少し重い。 でも、明日の分とかだし仕方ないよな。 外に出たら雨が降っていた。 一応今日の天気予報を見て傘を持ってきてて良かったと思って傘をさしてスーパーを後にした。

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