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お前はすでに手遅れだ

クラスメイト視点  外部から進学してきた生徒は大体問題を起こすと言われている。  たとえばA組に入ったアイツのように。  アイツもアイツで災難なのかもしれない。  平凡な見た目でありながら学園の人気者たちと仲良くなってしまったせいで強制的に針の筵。  助けてやるような親切な奴はそれこそ顔がいい学園としてそこそこの立場がある人間に限るので悪循環だ。  生徒会役員がアイツに飽きてしまえば話は早いが今のところその様子はないのが困ったところ。  なんだかんだでA組の平凡も顔がいい役員たちを嫌いきれていないのが見えるのが悲劇的。  男なんか無理だと言いながらあの様子では遅かれ早かれというもんだろう。  学園はしばらくうるさいままだ。目に見えている。      俺のクラスであるB組にも外部から進学してきたやつがいるが一年B組はトラブル嫌いが集まっているので例外だ。  無駄に騒ぎ立てたりしないクラスの空気とクラスに馴染もうとする努力をしている外部から進学してきた平凡は上手くいっている。  少なくともA組で浮いていて一部以外と口も聞いていないようなアイツとは比べ物にならない。  B組の平凡は毎朝みんなから声をかけられるし、迷子にならないように教室を移動したりする際に必ず誰かがついている。   「おはよー」    平凡の前を通る時に朝の挨拶を形式的にする。  少しホッとしたような顔をしながら座っているので上目遣いになる平凡。  これは押さずにはいられないと乳首を人差し指でトントンとリズミカルに突いてやる。  途端に困った顔をする。  だが、やめてほしいとも言わないので俺はそのまま自分の席に着いた。  平凡の後ろの席である俺はいつも通りに寝る前にやった課題のプリントを確認しながら平凡を見る。    米谷、国本、ポン酢、鍵山こいつらはB組の中でも別格に顔がいいが性格も顔の系統も被らないので四人をまとめて一つのグループとして見ている先輩たちは多い。  B組のアイドル四人、おまえは何派? なんて会話はよく聞くものだ。  四人とも見かけで草食男子や乙女系男子だと思っているなら大間違い。  ガッツリ肉食系だ。    クラスが一丸となって平凡の乳首開発をしていることもあるが一カ月もせずに乳首で感じられるようになったのは四人の功績が大きい。    外部進学で恋愛対象は女であっただろう平凡からすると乳首に対する警戒心などなかったに違いない。  胸を揉まれても撫でられてもつねられても冗談の範疇。  そして、毎日されていれば抵抗感も薄れていく。  朝の挨拶や帰りの挨拶と共に行われるので乳首触れる手をはねつけるのは精神的に難しかったに違いない。  クラスメイトが声をかけて友達が出来ていくことは外部から進学してきた平凡には心強かっただろう。  たとえクラスメイトのほとんどが雑談しながら自分の乳首をいじり倒してきても。   「米谷! 乳首触んなっ、もうやめろっ」    聞こえた声に顔を上げると後ろから見て耳まで真っ赤になっている平凡。  米谷が美少女顔に似合わない舌なめずりをしている。えろい。  むっつり侍の名をほしいままにする国本が着替え中でもないのに平凡の生肌に触れる。  これはまずいだろうと俺は隣の席を見る。鍵山が溜め息を吐いて事態を納めに行った。    鍵山は小さいが強い。そして、早い。  俺は身を乗り出して平凡の目を手でふさいでおく。  平凡が鍵山の暴力的な姿を見ないようにという配慮じゃない。  単純に俺が目隠しプレイをしたかっただけだ。    誰だと言われることもなく鍵山と話す平凡はじんじんとうずいている乳首が気になってたまらないんだろう。  あとでトイレの個室に引きずり込んで舐めてやろう。  そろそろ乳首だけでイクんじゃないだろうか。 「おまえら、オレの乳首をなんかのスイッチだと勘違いしてないか?」    平凡の言葉にまだ自分が以前までの自分だと信じているのだと呆れる。  勘違いしているのは平凡の方だ。お前はすでに手遅れだ。

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