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「まあ無理せずゆっくり解決しろよ。仕事にプライベートは持ち込むなっておまえの口癖だろ」 「わかってる」 「今日は思う存分飲め。ここのカクテルは俺の知ってる中じゃ1番だからな」  そう言って勝手に小鳥遊の空になったグラスにマスターを呼びつけ青色の液体を注ぎ込む。それはレモンを絞ると紫色に変わった。青と紫の混ざり合う色がなんともいえない煌めきを放つ。  たまには深酒も必要か。  家ではたいてい缶ビール1本程度しか飲まない小鳥遊だが今日くらいは1日羽目を外したかった。  明日は休みだしな……酔い潰れても問題ない。  岸本には呑んで帰ると伝えてあるから大丈夫だろう。そう思ってグラスの中の液体を全て飲み干した。 「おまえ飲み過ぎだろ。俺が介抱する側になるなんて……ほらしっかり歩け。今タクシーに乗せてやるから」  頭が鈍く痛む。視界がぐらぐらと揺れて足元がおぼつかない。さすがに飲み過ぎてしまったか。 「住所は自分で言えよ。じゃあな」  バタン、とタクシーのドアが閉められて百田と別れた。朧げな意識の中で運転手に住所を伝える。どのくらい車に揺られていたのだろうか。気づけば家の前に車が停まっていた。料金を支払いふらふらとしながらオートロックを開ける。エレベーターに乗っている間もズキズキと頭が痛んだ。  早くベッドに突っ伏したい。シャワーは朝浴びればいいか……。

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