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第18話

_____________________ おはようございます! 昨日はカフェ設立のための打ち合わせをしました。着々と準備は進んでいます。早く皆さんにご紹介できたらいいな……。 みんな、今日も学校にお仕事に頑張ってください! 【昨日の俺の「もうおしまいなの?」という子どもみたいな顔。初投稿のときより、幾分か表情が柔らかい。途中でおもちゃを取り上げられたように心細そうだ】 _____________________  ネットアイドルとして決意をした翌日。宗方からメールがあった。「フォロワー500人突破おめでとう。今日はちょっと別の写真を撮ってみようと思います。〇△公園で13時に」  まだ7時前だ。俺はいつも朝起きてから、ジョギングをしながら職場に向かうのがルーティンだった。着替えは更衣室でできるし、体質のせいか汗がかきづらい。黒いスポーツストッキングを履いて、上には吸水仕様のTシャツ1枚。5月の陽気には十分の格好だ。  村役場で午前の業務を行う。帳簿のチェックと、請求書の作成。こぢんまりした役場だからといって仕事は少ないわけではない。ご近所トラブルから、害獣駆除までなんでもござれ。身体を張る仕事の方が多いかもしれない。役場にいるより、村を駆け回ってるほうの時間が長いなんてこともある。村役場には20代の男の若手職員は俺しかいないから、よく駆り出されるのだ。中野さんは受付業務だし。でも、それも悪い気はしなくて。誰かに必要とされている。そして、それに応えられる。その関係性が居心地よかった。  12時50分に公園の前に来た。宗方の姿はない。宗方はいつも、待ち合わせの時間ちょうどか数分後にやってくる。俺は約束の10分前には待っていたい派だ。

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