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嫉妬⑦

そんな話をしていたら、ここのクラスメイト達が黙ってるわけもなくって「矢沼!!!交換しよーぜ!!!」と結構な人数が聞きに来ていた。 「えっ、連絡先交換!?俺も俺も~!!シノちゃん、交換しよ」 瀬谷までもがニカッと悪意のない笑顔を浮かべてやってきたものだから俺たちの周りは賑やかになった。 それを何とも思ってない幼馴染の二人はきっと中学でもこんな感じだったのだろう。 俺はこんなに囲まれて動悸がするっていうのに。 「湯田ー呼び出し」 「あ?」 そんなときタカちゃんが湯田を呼んだ。 廊下で顔だけ覗かせてるそれは、俺よりも小柄な…他クラスのヤツ。女の子はいない。男子校だから。 矢沼は何度も呼び出しあったけど、湯田は初めてなんじゃないのか…? ほんのり赤く染まるそれに過去の自分が重なるので、用件なんて知りたくなくても察する。 「…湯田がモテてる」 男に。 「そりゃあそうでしょ~!あれだけシノとスキンシップ激しかったらイケるかなって思うよね~」

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