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楽園⑥

「雅貴はね、シノのすべてを信じてるし想ってる。だから雅貴に悲しい思いさせたくないんだよね」 ああー、そういうこと。 「…俺と付き合ってること自体が悲しい思いさせてるっていうなら……」 悟ったように言葉を紡ぎ、脳内ではどうやって湯田から離れていけばいいのか分からないなりに考え出していたら頬をつねられた。いひゃい。 「ちっっがうね、不正解だよ!!シノには徹平先輩よりも雅貴を選んだってこときちんと徹平先輩に伝えてほしいんだよね!!!」 「なんでそこまで」 「そんなの、未練タラタラだからでしょ~」 タラタラって。 「俺はもう、」 その先を言おうとしたら、むにーっとより強くそれを引っ張られたので言葉が止まる。 「はい、シノまた不正解。鈍感バカシノ。…でも今くらい素でいてほしいな、シノ」 「なんかごめん。よく分かんなくて…」 バカで後悔したのは初めてだ。

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