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高校②

入学して数日が経つ。 季節は巡っていくし、身長は伸びるし声も低くなった。 それなのに、心は全くといっていいほど成長してないような気がする。 想いだって…… なんて、しめっぽいことは、やめやめ。 バカな俺だけど偏差値低い高校に来たものだから、クラスはA組なんだよへへーんだっ!と、強がってみる。 そんな事を思いながら俺は胸を張って自分のクラスに入った。 「あ!シノ〜おっはよう」 真ん丸の二重の瞳が俺を見てキラキラ輝いた。 「おはよう矢沼ー今日も可愛いな、お前」 矢沼 蓮(れん)。クラスで初めてできた友達。席が前後だから自然と話すようになった。 席替えは月1でやるもので先生が決めるものだと思ってたけど、クラスのヤツが席替えしよーぜと勝手に席替えのくじ作ってみんなに配って勝手に席替えしたのだ。 それなのに先生は怒らず、次に席替えするのは1ヶ月後だから今後は勝手にすんなよーと言うだけだった。自由すぎだな、先生も。 矢沼は165cmと男にしては小さめの身長で童顔…というか女みたいに可愛い容姿で声も高めで。 まだ入学して数日しか経ってないのに1年生の花みたいな存在らしい。 うん、確かに可愛い… 「ありがとう〜シノ♪僕のこと“蓮”って呼んでくれてもいいのに」 むぅ…とほっぺたを膨らます矢沼は本当の本当に癒やし……あ、なんかピリピリと視線が痛い。 「やだよ、矢沼のこと下の名前で呼んだら他のヤツにしめられる」 矢沼は花だからね。 入学して知ったのだが、ここでは同性への恋愛に対して嫌悪とか薄いらしくて驚いてる。 んま、男子校だし?そういうものなのかなー、だったら先輩と男子校で出逢いたかったなー…なんてな。バカか。

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