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餌付け⑦

何も言わない湯田へ矢沼は、いつものように笑みを零すと自分の席へ座り、自分の膝をポンポンする。 「ふふ〜っ♪僕は優しいからね、振られた雅貴を癒やしてあげよ〜う、ほらほら僕の膝の上おいで〜」 羨ましいな、湯田。 1年の花って言われてる矢沼にそんなこと言われるなんて…! 今日矢沼に告白した先輩じゃなくて、 矢沼を好意的に見ている誰かじゃなくて、 湯田に言ってんだぞ? いいなー俺も湯田みたいな図体でかいヤツじゃなくて矢沼みたいなのにハグしたいんだからな? 先輩は別だけどな。 頬杖ついて、ぼぉーと見ていると湯田は無言でその矢沼の膝へは行かず投げた消しゴム拾い上げて俺に返すと自分の席へ座った。 …あ、俺のほうにも来なかった。やったぜ。 だが、不機嫌オーラを感じてそいつを見てしまって後悔して目を逸らした。 自分の席に座った湯田が俺を睨んでるのは見なかったことにしよう、うん。 そのあと、矢沼が 「もうっ!!!なんで僕のとこには来ないのさ〜!」とぷんぷん怒っていたが俺から見れば可愛いとしか思えなかった。

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