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逃げられない⑤

湯田に箸で摘んでたウインナー食べられて睨んでると、ぷくぅと頬を膨らます矢沼を視界に捉えて、やば…と冷や汗を流す。 「ご、ごめ…矢沼」 「いいも〜ん。シノのせいじゃないし〜!雅貴が自分でお弁当作らないのが悪いんだし〜!」 「蓮だって自分で作れないだろ」 「違うも〜ん作“れ”ないじゃなくて作“ら”ない、だから〜!本気だせば僕だって!!!シノだって親に作ってもらうよね!?」 「あぁ……えっと、そうだね」 あははーなんて作り笑いを浮かべれば湯田に「嘘が下手だな」と真顔で見抜かれた。 え、やだ、こわ… 目を見開いて、分かりやすいのかな俺…って頬に手を当ててみるが分からない。 「嘘なの、シノ〜!!てことは、自分で作ってるんだ?!なんかシノが大人に見える、僕も頑張ろ…うん頑張る」 そう言う矢沼だが、顔も可愛いのに中身まで女子力を高めるのか…と笑ってしまった。 …大人に見える、だなんて……俺にはまだ…

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