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逃げられない⑥
過去に縋って、縛られて…捨てられないものが、まだたくさんあるのに…――――。
弁当は3分の1ほど湯田に食べられた。
これからは多めに作ってこようかな…湯田へ餌付けしてたら自分の分が足りなくなる。
午後の授業もぼんやりと過ごし、テストに出すからな!と先生が言ったところだけマーカーを引く。
放課後になり、靴箱に上履き入れて靴を履いていると矢沼が「暇ならファミレスかどっかで勉強しよ〜」と誘ってきた。
今日は両親が早めに帰ってきてご飯作る日だから俺は買い物もなにもしなくていいや…と考えて「俺はいいよ」と返事をする。
だけど湯田は、彼女いるから無理だろうなーなんて期待はせず目を向けると「シノがいるなら行く」だそう。
なんで俺基準なんだろ、また彼女と別れ話になっちまうぞ……でもまぁ、それでも…いっか。
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