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どうしてこうなった⑤

「そっか」 俺の言葉にただ傾聴する湯田に安堵の笑みを浮かべた。 「うん」 「バカシノでも恋愛するんだな」 「うん……え」 「それが分かって良かった」 すたすたとイチゴオレとアイスコーヒー持っていく湯田に唖然となる。 え、バカにされた? 俺だって人を好きになりますよ、えっ、意外だなってこと?…気にしすぎか。 ゆっくりと湯田のあとを追いかけて先輩へメロンソーダを渡す。 「さんきゅ」 そう言って笑った先輩の八重歯が見えて、左手で心臓を押さえる。鎮まれー…俺の心臓。

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