その後、先輩は俺に話したいことがあるって言っていたけど、その内容を告げなかった。 理由はわかってる。 湯田と矢沼がいるからだ。 ただ、「ごめんな」と言われた。“あの時”のことだろう… どうして、謝るのかな。 ―――――…俺が先輩を好きになったのが悪いのに。 後日詳しい話をしたいらしく、また会ってほしいと言った先輩に素直に頷いた。 消したはずの連絡先を再び交換して、「なんで消すんだよ」って怒られて…笑って…そのあと、矢沼が「もうすぐテストだから勉強したい」と申し出て先輩もそれを了承してくれて、勉強をみてもらった。 なんだろ……もっと嫌悪感とか抱かれてるのかと思ったけど意外と先輩…優しくないか？ 「徹平先輩…」 「ん？」 あぁ………なんでまた、こんなに優しいのだろう。