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3-1
「先輩、本当にいいの…?」
「うん。覚悟は決めた。」
ぷっくりと熟れたピンクの乳首。
目の前に並ぶのはニードルや軟膏、あと今から俺の乳首に付けられるのであろうピンクゴールドの棒状のピアス。
心配そうに俺の表情を窺 う城崎。
「いつでも来い…。」
「男前だけど…。先輩が痛いのは俺も辛いです…。」
「そ、そんなに痛えの…?」
「そりゃ穴開けますから…。痛いとは思います。」
「…………。」
「やめる?」
「………やめない。」
何を迷う必要がある。
俺は覚悟を決めたんだ。
俺が目を瞑ると、城崎も覚悟を決めた。
「じゃあ、開けますね。」
「おう……。」
アルコールを染み込ませたコットンを当てられ、ビクンッと大きく体を揺らす。
「ふっ…(笑)先輩、まだ消毒してるだけ。こんなに揺れたら、開ける時ミスっちゃう。」
「なっ…?!冗談でも言うな!!」
「ふふっ…、すみません…。」
城崎は堪えるように笑いながら、トントンっと俺の乳首を消毒する。
こんなに覚悟決めたのに、失敗とか絶対嫌だ。
でも俺も、感じるの我慢しないと……。
揺れたらそりゃ、手元狂うよな……。
「少し擽ったいですよ。」
「ひっ…!な、何…?!」
「マーキング。ズレないように印付けとかないと。」
「ぁっ、や…、ぁっあ!」
「先輩、落ち着いて。深呼吸〜。」
筆先が乳首に触れるたびにビクビクしてたら、城崎が一旦手を止めて、俺の頭を抱き締めてぽんぽんと撫でた。
本当に今から刺すの…?
覚悟したはずなのに、急に不安になってきてしまう。
「先輩、俺は覚悟決めましたよ。」
「お、俺も……。」
「さっきより揺らいでません?」
「そ、そんなことないから!」
図星を突かれて思わず焦る。
だって仕方ないじゃん!
緊張するし、乳首に穴開けるなんて決意揺らぐよ!?
とは言えず、もう一度目を瞑って城崎に胸を晒す。
マーキング作業も終わったし、多分次こそ本当に開けられる…。
ごくんっと唾を呑み込み、握り拳を固めた。
「開けます。」
ジクンッ……
「いっ……!」
「とりあえず刺さりました。」
「と、とりあえず……?」
「今から貫通させます。」
「?!」
「歯食いしばってください。」
まだ痛いの??
今結構痛かったよ?!注射よりも痛かった!
既に泣きそうだけど、ここまできたら後戻りなんてできない。
俺は言われた通りに歯を食いしばって、覚悟を決めた。
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