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「せんぱーい。」
「…………」
「先輩、起きて〜。エッチしちゃいますよ。」
夢でも聞いていた大好きな声が聞こえ、目を覚ます。
頬を膨らましながら、つまらなさそうに俺のほっぺを指で突く城崎。
長い夢を見てた……んだよな?
「おはよ、城崎。」
「やっと起きた〜。もう12時ですよ?」
「悪い。……あれ?葉月くんは?」
「帰りましたよ。もー。昨日は葉月が一緒に寝てたし。俺、すげー我慢してたんですけど。」
城崎は俺の腕を掴み、ズボンの中に誘 う。
緩く勃ちかけている城崎のモノに触れ、ちゃんと俺が起きるまで我慢したんだなと思わず笑った。
「何で笑ってるんですか!」
「ふっ…、なぁ、城崎。」
「何ですか?」
「城崎って学生時代、賢かったの?」
「………まぁ人並みには。」
「学年トップ?」
「………一応。もう!何でそんなこと聞くんですか?自慢みたいで恥ずかしいです…。」
城崎は少し照れ臭そうに顔を逸らす。
「もう一個だけ聞きたいんだけど。」
「……なんですか?」
「授業サボって、空き教室で不特定多数とエッチしてた?」
「ブフッ…!ゴホゴホッ!ちょ…、はぁ?!誰に聞いたんですか?!葉月?!」
「図星だ?」
「もー………。昔のことですから……。」
いつもなら拗ねていたかもしれないけど、なんか今日は違う。
夢の中で会った城崎、もしかして本当に昔の城崎だったんじゃないのかなぁ。
なんかそんな気がする。
「なぁ、綾センセーって、呼んでみて?」
「何それ。新手のプレイですか?」
「いいから。」
「綾センセー。」
城崎は棒読みで俺に言われた通りに呼ぶ。
あぁ、なんか懐かしい感じがする。
「なんか先輩嬉しそう…。」
「ん〜。何でだろうな?」
「綾センセー、エッチしましょ?とびっきり激しいやつ♡」
「ちょ…っ!わぁっ!?」
「ぷはっ!センセーとか言われて興奮してる先輩、超変態!」
あははと笑いながら俺にじゃれつく城崎。
あー、やっぱ好き。
先輩、先輩…と俺を愛しまくる城崎も。
綾センセー…とイタズラな笑顔で笑って俺を翻弄する城崎も。
「どっちも大好きだ。」
「は?浮気?」
「ちげぇから!うわっ、ちょっと…!」
「浮気してないかチェックです。ほら、先輩。覚悟してくださいね?」
「ちょ、あはは!やめろって!」
大好きな大好きな俺の城崎。
一生、ずっとそばに居てやるからな。
fin.
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