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SS5-1
営業部、秘書課合同忘年会。
p431〜p433の城崎視点。
居酒屋からいつのまにかお家のベッドに入っていたところまでのエピソードあり。
***
飲み会は嫌いだ。
先輩が俺以外の前で、お酒を飲まざるを得ない状況になるから。
「「「かんぱーーーい!!!」」」
そもそもなんで…。
俺の隣に座るはずだった先輩が部長の隣にいるんだよ?!
部長に呼ばれて、「ごめん。」と目で合図してきた先輩。
ごめんじゃない!!俺の隣!!早く!!!
しかもあのタヌキ親父、せっかく先輩がほうじ茶頼んでるのにビール飲ませやがって!!
先輩も「ビール美味っ!!」て顔してるし。もう…。
先輩はお酒弱いから、俺以外の前で飲まないで欲しいのに…。
そしてお酒を飲む先輩に近づいたのは秘書課の諸角。
スレンダーなのに出るとこ出てて、おまけに美人。
男性陣に人気で、先輩に関係する人以外に無関心な俺でさえ名前は聞いたことある。
伊藤さんに秘書課の諸角は先輩を狙ってると情報を得てからは、俺の頭に要注意人物としてインプットされた。
そいつが何で今日この場で、俺と離れてるときに先輩に近づくんだよ!!
「城崎、顔こえーぞ。」
「放っといてください。」
目の前に座る上司に揶揄われ、イラっとする。
あー、ウザい。先輩から離れろ。谷間見せんな。話すな。
俺の先輩に近づくな…!!
じーっと先輩の方を見てたら、後ろから声をかけられる。
「城崎さーん♡お隣いいですか〜?♡」
「私も〜♡」
うわ、聞いたことある高い声。
秘書課の女の子は自分に自信があるのか、異様にプッシュが強い。
完全なプライベートなら気を持たせないようそっけない態度を取って追い払うけど、一応同じ会社の社員だし蔑 ろにはできない。
「どうぞ。」
「嬉しい〜♡あ、城崎さんグラス空いてます!ビールでいいですかぁ?」
「どうも。」
愛想笑いしながら最低限の会話で終わらせる。
そして早急に先輩の元へ向かわないと。
ちらちら先輩の方を確認していると、先輩はビールを思いっきり煽っていた。
おいおいおい。何してんだよ。
俺の前だけって、あれだけ口酸っぱく言ったのに!!
そして案の定、酔って隙だらけの先輩は諸角に胸を押しつけられていた。
すぐに先輩の表情を確認する。
………うん、ニヤけてはない。
決して喜んではないらしく安堵した。
てか、先輩めちゃくちゃ俺のこと睨んでね?
俺の方が睨みたいんですけど。
早くその女から離れろよ。
……と思っていたら、先輩はすくっと立ち上がり、ものすごい剣幕で俺の方へ近づいてきた。
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