68 / 128

5-9

「先ぱ〜い!起きて!起きてってば!」 「ん……、城崎…?」 また変な夢見てたのか、俺。 目の前の城崎は医者でも何でもない、多分いつもの城崎。 「変な夢見た……。」 「どんなですか?ちなみにね、俺も夢見たんです♪俺は結構幸せな夢だったなぁ。」 城崎は嬉しそうに話す。 可愛いな…。 頭を撫でてやると、気持ちよさそうに擦り寄ってきた。 「ん、よかったな。」 「はい♪で?先輩はどんな夢でした?」 「城崎が医者で、なんかすげぇ無理矢理丸め込まれて付き合う夢。」 「ぶはっ!俺、医者になっても先輩のことちゃんと捕まえてるんですね。偉い偉い。」 本当にな。 いろんな夢見るけど、どの夢でも必ず城崎と俺は結ばれる。 俺ってば、城崎のこと好きすぎるだろ。 「じゃあじゃあこれって、きっと前のボードゲームのせいで見た夢ですよね。」 「え?」 「ほら、先輩がアイドルで、俺が医者だったでしょ?実は俺が見た夢、先輩がアイドルだった夢なんですよ。」 「俺が?ぷっ…くくっ…(笑)売れるわけないじゃん。」 「はぁ〜?!先輩は世界一可愛くて格好良いんですから売れないわけないでしょ?!」 「そんなこと言うのおまえだけだよ。」 「俺の推しです!推し!!永遠に先輩だけ推します!!先輩しか勝たんです!」 「はいはい。ありがとな。」 キャンキャン子犬みたいに吠える可愛い恋人。 怒る理由が可愛すぎるだろ。 当の本人が貶す分には許してくれ。 「先輩、俺の夢の話も聞いてくれますか?」 「えー。時間かかる?」 「先輩の可愛い部分を選りすぐって簡潔にお話します!」 「じゃあ聞いてあげる。」 城崎があまりにも嬉しそうに話すから、俺はベッドに横になって城崎の夢の話を聞くことにした。 fin.

ともだちにシェアしよう!