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「っしゃあ〜〜〜!!!全通!!!!」 「おーおー。おめでとう。」 「よかったわね、夏くん。」 当落発表の18時。 俺はAquaで飲んでいた。 麗子ママは俺が喜んでいるのを見て嬉しそうに声をかけ、透さんは興味なさそうに酒を飲んでいた。 「それにしても、全通って全部行くんでしょぉ?お休み取れるの?」 「取れるか取れないかじゃなくて、取るんです。取らせてもらえないなら会社辞めますし。」 「あらぁ〜。」 一年目の時はさすがに怒られた。 首切られるとこだったけど、大企業の営業取ってきて許された。 今年もめちゃくちゃ有休使う代わりに、大手の営業をとるという約束付きだ。 推しのためなら余裕で頑張る。 「あ〜…、綾くんに会える…。マジでヤベェ…。」 「どう見てもこっちのが可愛いだろうが。」 「透さんは分かってないなぁ〜。」 「おまえとは趣味が違ぇんだよ。」 透さんは圭くんを指差してる。 まぁ圭くんは可愛いけど。 でもどう見ても綾くんの方が可愛いもんね?! 「麗子ママはどの子が可愛いと思う〜?」 「ん〜?みんな可愛いわよ?」 「綾くん可愛いよね?」 「そうね。ふふ。」 麗子ママは満遍なく褒めるタイプだ。 参考になんねーな。 「あ。そういえば東京のオーラスだけ2連番申し込んだんだよね。透さん、来ますか?」 「あ?」 「圭くん、生で見れますよ。言っておきますけど、写真と生、全然違いますからね!」 「あっそう。」 「行かないなら他の人にあげます。」 「行かないとは言ってねぇだろが。」 透さんはぶっきらぼうにそう返した。 「素直に行きたいって言えばいいのに。」 「行けたら行く。オペとか入ったら無理だけど。」 「俺は仕事なんかより推しの笑顔を優先します。」 「おまえの事情は知らねぇよ。」 透さんはそんなこと言ってるけど、多分生圭くんを見たいんだと思う。 絶対ハマっちゃうだろうな〜。 綾くんを初めて生で見た時、尊すぎて自然と涙が溢れてきちゃったんだもんな。 「透さんの分も団扇作ってきましょうか?」 「団扇?」 「こーゆーのです!!」 「きめぇ。いらねぇ。」 心を込めて作った俺の団扇は、一言でぶったぎられた。 いいもん。透さんにファンサもらえなくたって知らないもん。 せっかく善意で作ってあげようと思ったのに。 「うふふ。夏くんったら、Sparkleの話になると幼くなるというか、普段とは違って可愛いわねぇ〜♡」 「麗子ママ、馬鹿にしてる?」 「してないわよぉ♡ギャップ萌えよ、ギャップ萌え♡」 むくれていると、麗子ママは俺の好きなお酒をサービスしてくれた。

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