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9-7
「城崎っ!!!」
「なっ…、何…?どうしたの?」
「はっ…、え……?」
いつもの部屋。
いつものベッド。
俺を見て目を丸くする城崎。
「ゆ、夢か……。よかったぁ……。」
「どうしたんです?汗びっしょりですよ?!悪夢でも見たんですか?」
「俺……、城崎に殺された……。」
「はっ?!」
城崎は信じられないというような目で俺を見た。
だって…。夢の中の城崎は本当に……。
夢の一部始終を話すと、城崎ははぁーっとため息を吐いた。
「俺が先輩のこと殺すわけないでしょ!!」
「だって…。なんかおまえ、そういう気質あるし…。」
「ないです!百歩譲って相手を殺すことはあり得ても、先輩を殺すことはないです!!」
「怖いから冗談でもやめて…。」
「というか、そもそも俺は先輩の嫌がることはしません!!」
ヤンデレ…というか夢の中の城崎は精神異常者だった気も…。
本当に怖かった。
そう言えばエイプリルフールのとき、城崎のやつ、別れるって言ったら手始めに監禁して、二度と俺から離れられないようにするとか言ってたっけ…。
あと、首輪と枷で身体抑制して、そのあと媚薬とかで薬漬けにして、俺なしじゃ生きていけない体にするとかなんとかも…。
つまりこの夢、あの言葉が原因で見た夢だよな…。
「城崎…、俺のこと脅すのやめて…。」
「え?俺がいつ先輩のこと脅したんですか?」
「エイプリルフールの時だよ…。」
「あー…。でもそれって、もし先輩が別れるって言ったらの話ですよね?先輩がそんなこと言わなきゃ大丈夫ですよ!」
圧がすごい。
まぁ、うん。
俺と城崎が別れるときなんて想像つかないや。
「城崎、好きだよ。」
「俺もっ♡大好きですっ♡♡」
「愛してる。」
「っ!!俺も世界一愛してますっ♡♡」
夢の中では言いたくても言えなかった言葉を、現実の城崎にちゃんと伝える。
城崎、嬉しそう。
城崎も倍で返してくれるから、俺もすげー嬉しい。
こんなラブラブな俺たちが、この後別れの危機に瀕するなんて。
誰も想像できなかった出来事が起こる少し前のお話。
fin.
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