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第81話
「たくさん鳴いてもいいよ」
相良さんの指が僕の中を何度も往復する。その度にぐちゅぐちゅとはしたない音が出た。
「っあぁ……ひっ……うっ」
僕は鳴き方なんて忘れて叫ぶ。お腹の奥、熱い……。前を弄る時に似た快感にのまれ、頭が働かない。僕はびくびくと身体を震わせて、鳴き続ける。
「ふっ……んん」
ぬぽ、と相良さんの指が出ていった。
「初めてなのに、もうこんなに感じるんだ。雛瀬くん素質あるよ」
触れられたのは、まだ弄ってもいなかった屹立。嘘……勃ってる。どうして。後ろの刺激だけで?
「動かないで。そうだね、目を閉じてみようか」
僕はぴたりと身体の動きを止めて、目を瞑る。自分がこんなにも相良さんの指示に従っていることに恥じらいを覚えた。まだ、mateになって2週間しか経ってないのに、僕の身体と心は相良さんに従っている。
「う……」
お尻に違和感が。指とは違う。冷たくて、3本の指と同じくらいの大きさのもの。ゆっくりと挿入され、ぐっと根元まで咥えさせられる。
「目、開けていいよ」
「な……っ」
目に入ってきたのは、灰色のもふもふ。長毛種の猫の尻尾のようだ。それは、僕のお尻に深く突き刺さっている。
「はは。可愛いね。写真を撮ってあげないとね」
「待って」そう言おうと思ったけど、言葉が出なくて。カシャと乾いたカメラの音が鳴り止まない。
「雛瀬くん。こっち向いて。手を猫みたいにして……そう上手」
相良さんの指示通りポーズをとる。5分ほど写真を撮り続けたあと、相良さんは口に手を当てて何かを言った。僕には聞き取れなかったけど。
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