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第285話 とびきり優しい R18

「っはあぅ……ああん……っ」 「李子ってほんとここ弱いよね」  バックの体位で相良さんが僕の腰を逃がさないように固定して腰を動かしてくる。バックだと僕の1番弱いところに相良さんの怒張がまっすぐ届くのだ。先端が押し付けられるたびに僕のものの先端から我慢汁がぴゅ、と溢れて止まらない。自身の屹立がぺちんぺちんと自分の腹にあたりその仄かな刺激でさえ今の自分には深く響く。  体位を変えて相良さんが僕を抱きしめてくれる。 「李子……感じてる顔可愛い。もっと俺に見せて」  耳元で掠れた声で囁かれて僕の体はそれを全身で喜ぶ。相良さんのものを無意識に締め付けてしまうのがたまらない。もっともっとと僕は相良さんの腰に足を絡める。強い快感のあまり行き場のない手のひらは逞しい背中に腕をまわして嬌声に喘ぐ。 「はは。締め付けすごい」 「んっ……もっとしてくださ、い……」  相良さんの腕の中で僕の欲深い一面が浮き出ている。日本にいた頃には少し遠慮がちだった僕も、アメリカに来てから気分が少し開放的になっているのかもしれない。よく言えば素直、悪く言えばわがままな性格へと少し変化していた。 「こら。stay(待て)》」 「ひっ……ぁあ」  相良さんのCommandが脳内を震わせて腰に甘く響く。僕の胎内が相良さんのもので満たされて、中でイきそうになっていた。それをめざとく観察され「待て」をされたのだ。 「勝手にイっていいとは言ってないよ。もっと頑張れるよね。李子?」  黒く透き通った瞳には熟れた林檎のように頬を染めるぼくの姿が映っている。まるで相良さんの目を僕だけに釘付けにできているような気がして知らず知らずのうちに目元が潤む。 ーーこの人は僕のもの。 「は、い」  その晩は今までで一際優しく抱かれた。Commandを放つときの声は優しくて心地いい。ゆりかごに揺られているように身体が浮かぶような心地がした。僕はどうしたって痛みのないplayのほうが好きみたいだ。何故か相良さんはアメリカに来て以来痛みを及ぼすplayは全くしなくなった。何か心境の変化があったのだろうか。直接聞いてみたいけれどまだ勇気が持てなくて現状を維持している僕は本当に保守的だと思う。痛みを伴わないから僕はセーフワードも一度も言ってない。こんな甘くて優しいplayだけをしていたい。なんて言ったら我儘すぎるかな。でも今はこの心地良さに身を委ねていたい。

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