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第23話

俺らは駅まで歩きながら 特別話しをするわけでもないけど 相手の熱を感じ合っていた 触れたい すぐそこにいるのに 時折見つめ合って笑い合って それで幸せいっぱいだ 駅につき改札を通ると 砂川が少し背伸びして 耳打ちをした 「圭吾 大好きだよ」 美術室ではあんなに男前だったのに背伸びから内緒話 萌えるわ 俺はわざと膝を深く折り曲げ お返しする 「優…格好良かった!」 にっこり笑う砂川は いつもの可愛い砂川に戻っていた 「また明日!」 ホームでもずっと小さく手を振っていた 砂川の電車を見送り 思わずガッツポーズと雄叫び をしてしまった

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