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第33話
あれから矢沢も合流して
駄弁りバス組の矢沢富永と別れ俺達は駅に向かった
「さっき圭吾可愛かったよ」
「さっき?」
「タオルだよ」
「本当は自然に渡したかったけど難しいなぁ
優がさ キスしたいなんて言うから~恥ずかしいよ」
「嬉しかったんだ 気にしてくれて
それに圭吾 顔真っ赤なんだもの
そんなの見たら
キスしたくなっちゃうよ
嫌だった?」
「嫌なんて…」
優が手をそっと握ってくれた
そして構内に入る寸前
手は自然に離れていく
改札を通り
「また明日!」
「圭吾!気をつけて」
「優 乗り過ごすなよ」
ホームに立って
俺達は見つめ合っている
瞬きも惜しいんだ
俺の電車が入ってきた
乗り込み優に手を振ろうしたら
優!優が俯いた
制服の袖で目をこすった?
すぐに俺を見て笑ってくれた
優…優…泣いてたね
明日 明日キスしようね
絶対
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