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第1話

恋をした すれ違う事さえできずに 通り過ぎるのを待つ 顔なんて見られる訳ない 君は静かに ただ静かにそこにいる 時折ふっと小さく息を漏らす その息にはどんな思いが こめられているのか 「沢木…さ~わ~き~  沢木圭吾!!」 俺は後ろの矢沢に突かれ 我に返った な、な、何どうした俺 「沢木!今は幽体離脱の時間か! まさか授業を俯瞰でみてたか? 意識失うな!」 担任の内田が叫んでいる とりあえず頭を下げ教科書に目を落としたが、 あいつになんて思われたのか そっちが気になって 何気なく見ると 目が合った! 嘘だろう! 可愛い!笑ってる? 眼鏡男子キュンとする! 砂川優!!尊い! そう、俺、沢木圭吾  高校2年17才は この可愛い眼鏡男子 砂川優に恋をしている

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