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第165話

風呂から上がり俺たちがリビングに入っていくと ワチャワチャ組がなんだか神妙な面持ちでこちらを見ている え~なんか嫌だ~特に砂川のこの顔は怖い! 「好弥~どうした?」 矢沢が何気なく声をかけた 富永は一瞬戸惑いの表情を見せたが 「みんなごめんね 相談したいことがあってさ 新も気にしてくれていた俺の家の事なんだよね 実はさ家の親もおじいちゃんも 頭硬くて…俺は新と真面目に付き合いっているって話したいんだけど 反応は見えているんだよ でも ちゃんと向き合いたい みんなみたに乗り越えたいんだよ じゃないと新とも前に進めないって 言う気持ちがあって  新に対して 嘘ついている  親たちにも嘘ついている  居たたまれないんだよ 情けない男だよ」 矢沢が富永を抱き締めて 「好弥 俺はいい加減な事は言えないけど 今はお前が俺の一番なんだ これはちゃんと話せる  別れろと言われたら 断る 本人たち以外関わる問題 じゃない でももしこの先の事を 約束しろと言われたら 出来ないとしか言えない 判って貰えるかな? お互いこれから社会に出る訳だし  そんな約束に意味あるのか? でもな 今と同じように この先も愛し合っていたら その時は とっくに俺たち結婚していると思う  そうなる為の努力は惜しまないさ  だから この夏休み中にご挨拶に行きたいし 俺を知って貰うため何度でも 行くから  これが俺の精一杯の気持ち」 矢沢はいい男だ 覚悟を持った男だ いや~その辺の大人より真剣だよ この言葉は富永をしっかり支える 俺にはふたりの幸せな姿が見えた気がした 「好弥!凄いよ 新としっかり手繋いで何があっても離さない事  すべて新と相談しながら歩いて行けるね」 「何でもするからな 遠慮するなよ」 「好弥 追い出されたり 居づらくなったら この家があるからね」 えっ!そんなの聞いてないよ 優弥さんに相談しなきゃ! って 砂川の事だからしっかり話し進めるんだよな 俺はその時出来ることを精一杯やるだけだ 「新!新!」 富永は言葉にならない 俺は砂川と二階に引きあげた 確かに俺も砂川とはこの先何があっても 離れる気はないが 誰にも判らないこともある それでも離れない覚悟 幸せな覚悟だな 砂川は? 一緒だよな

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