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第186話

富永の体調も復活して矢沢と二日後には名残惜しげに帰って行った 特に好弥は~絶対また遊びに来るって 砂川と固い約束してた~ 彼奴らがいないと静かと言うか寂しと言うか 友達以上……家族みてぇな存在 になった気がする 二~三日前 お盆休みに一度帰ってくるようにと 母親から連絡がきた 墓参りもあるしなぁ 十五日から三日間帰る事にしたと砂川に伝えると 泣き虫だから 判ってたが 案の定泣いた~ 優弥さんに叱られ 泣き止んだが 機嫌が異常に悪い 母親に砂川も連れて帰って良いか 聞いてみたら なんと!OKだった まず優弥さんに話すと なかなか首をたてに 振ってはくれなかった 仕方なしに母親に連絡し 直接優弥さんと話して貰った 恐縮しながらもやっと認めてくれた この話は優弥さんから して貰うことにした ある夜 優弥さんはにこりともしないで 砂川と俺を呼んだ 今度のことは沢木家が特別に認めてくれたもの だから お客様ではなくお手伝いの一人としてしっかり役に立ってくること 俺もしっかり役目を果たして来るよに 言われた そして砂川はすぐ泣くのを止めることを約束させられていた 結構優弥さんが怖くて…… 俺もビシッとした 後で信也さんにこっそり教えてくれた まず叱る事が出来ない キツいことが言えない優弥さんは 一生懸命練習してたこと 優が神妙な顔を為ているのが可哀想で 泣きそうだった!って泣いた…… どんだけ甘々なんだ~ 泣き虫は血だわ 直るわけないよ さて 俺たちは部活が始まり ほぼ毎日学校へ登校している それなりに生活のリズムも出来て来た 優弥さんは会社 信也さんは家で仕事しながら家事をこなす 俺たちは夕飯を手伝う約束もあり 部活後は結構忙しい 今日は久しぶりに四人で下校でき ワチャワチャ組復活! そのワチャワチャ組が駄々を捏ねて 仕方なしに1時間だけの約束で ファミレスに寄ることになった 「優?判ってるよな 今日は帰りスーパーに寄って レタスとピーマン人参買うんだから いいな」 「判ってますよ~だ」 なんだ?生意気! まあ大した話しなんてないが 四人でいることが楽しいのは判る 俺も矢沢も満更じゃないしな きっちり一時間たった 「さぁそろそろ行くぞ 好弥」 矢沢の号令で立ち上がり バス組の好弥たちと別れ駅に向かった もう当たり前のように手を繋いでいる つきあいはじめの頃 砂川は人目を気にして手を離してしまったことを責めて 電話くれた事があったなぁ 話しの途中で泣いたっけ 二人して ほんの数カ月前なのに 懐かしい…… 明日も一人ではないとおもえる 幸せって凄いな!

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