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第24話

 2ー10 番紋  「どういうことだ?」  俺は、ガイに訊ねた。  「あんたは、さっき俺のことを番といった。それなのに、また、今、このキュウとの間に番契約が結ばれたっていう」  「そんなこと、私の方がききたい」  ガイがキュウを離して俺の方へと近づいてきた。  「お前は、確かに私の番でもあるというのに、同時に、その淫紋を彫ったものの番でもあり、そして、このキュウの番でもある」  「そんなの変じゃね?」  俺は、俺にすり寄ってくるキュウを抱き締めながらきいた。  「なんで、何人もの番なんだよ?」  「おそらくお前は、特殊なんだろうな」  ガイがキュウを挟んで俺に触れてきた。  「お前は、たぶん愛の女神の加護を受けし者なのだろう。だから、いくつもの愛の契約を受け入れることが可能なんだろう。実に腹立たしいことだが」  「なんだ、それ?」  俺は、呆れていた。  「そんなの加護じゃなくて悪戯じゃね?」  「そうかもしれんな」  ガイは、俺に顔を寄せるとそっとキスをしてきた。  はい?  俺は、ガイを避けてそっぽを向いた。  「とにかく、はっきり言っとくが、俺は、男に興味はないからな!」  「そんなものを体に刻まれているのにか?」  ガイは、にやっと笑った。  「フィオルの淫紋に、私の番の証も刻まれている。さらには、この竜の子とも絆を結んだのだ。お前には、もう、選択権などない」  「なっ!」  ガイに抱き寄せられて、俺は、勢い余ってガイの胸に顔から飛び込んだ。  ガイは、俺をぎゅっと力強く抱くと囁いた。  「もう、逃がさんぞ、人間」  「人間って」  俺は、抗議した。  「俺にも、ちゃんとした名前があるんだけど?」  「なんという名だ?」  ガイに問われて、俺は、しまった、と気付いて口をつぐんだ。  これだと、俺は、名前でさらに絆を結ばれてしまう。  「お前の名は、なんだ?答えろ!」  「俺の、名は・・」  俺は、答えたくはなかったが、なぜか、なぜか、素直に答えてしまう。  「・・ティル・ソニアだ」  「そうか、ティル。いい名だ」  ガイがそう言うと俺の額に口付けた。  ガイに口付けられた場所が熱い。  というか、徐々に全身にその熱が拡がっていくのがわかった。  「何をした?」  「何も」  ガイは、とぼけるように答えた。  「ただ、お前に施した番紋を完成させただけだ」  なんですと?

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