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第25話
2ー11 明るい家族計画
ガイは、キュウをベッドの外へと追い出すと俺を押し倒した。
「我が番、ティル・ソニアに、愛を注ぐ」
ガイが俺の髪を撫でた。
くすぐったくって俺は、息をつめた。
ガイは、俺の頬にキスを落とした。
「お前は、何物にもかえがたい私の愛しい番だ。この私の生涯においてただ1人の妃だ。受け取るがいい。この思いを」
「いらん!そんなもの!」
俺は、はっきりとお断りした。
ガイは、怒りにその美しい顔を歪める。
「なぜ、だ?番紋は、お前を拘束する筈なのに、なぜ、お前は、私を拒める?」
「なぜって」
俺は、言ってはならない言葉を吐いてしまった。
「俺は、あんたを愛し得ないからだ」
「夕べ、番紋を刻んだとき、あんなにも感じていた筈なのに?」
「あれは、たまたま気が昂ってたからだろ。忘れてくれ」
「忘れられるわけがない」
ガイは、俺の体に刻まれた印を指先でたどった。
「どうしても忘れたというなら思い出させてやる」
はいぃっ?
俺は、ガイに胸の頂をちゅっと吸われてびくっと体をそらせた。
「や・・!」
「ここは、まだ、慣らされていないようだな、ティル」
「どこも、慣らされてなんてねぇし!」
「では、ものは試しだ」
ガイが俺に囁いた。
「必ず、お前を手に入れる。身も心も、魂までも私のものにしてみせる」
ガイに唇を奪われて、俺は、呻いた。ガイは、俺の唇をわって口中を舌で掻き乱す。舌を絡まされ、俺たちは、呼吸を乱した。
「んっ・・はぁっ、ふっ・・」
キスだけで、俺は、もう頭がくらくらしてきて体の奥底から何かが沸き上がってくるのを感じていた。
「だめ、だっ!も、やめてっ!」
「何言ってるんだ、ティル。こんなにしてるくせに」
俺の前は、もう緩く立ち上がってきていた。ガイは、俺の両足を折り曲げて俺の隠された場所をさらすとそこに口付ける。
「やめっ!」
「大丈夫だ、ここも、お前の腹のなかも番紋で浄化されている。それだけじゃないぞ。ティル。お前のここは、もう俺の子供さえ孕めるようになっている」
はい?
俺は、ハトマメだった。
男が孕むようになる魔法があるなんて、初耳だった。
「よけい、やめてくれ!妊娠は、駄目だ!」
「なぜだ?」
問いかけるガイに俺は、答えた。
「俺は、もう年だから、な。出産なんて無理だ」
「無理かどうかは、やってみないと」
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