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第47話

 4ー6 全部、俺のせい?  「で?」  俺は、厳しい口調で奥様たちを尋問していた。  「いったい、何をたくらんでいるんですか?」  「企んでいるってほどじゃないし」  奥様が答えたので俺は、がぅっと吠えた。  「企んでなくってなんでこんなことになってるんですか!」  「それは、私から説明した方がいいかも」  ミミル先生が立ち上がった。  「あなたに相談なしですすめたことは悪かったわ、ごめんなさいね、ティル。実は、私たち、ここで事業を起こそうと思っているのよ」  「事業?」  「そう」  奥様が口を挟んだ。  「この世界で『通販』を始めようと思ってるのよ、私たち」  なんですと?  奥様たちは、俺に説明した。  「私たちは、ちょっと前から考えていたのよ。このすばらしい『通販』を世界中のすべての人たちと分かち合えないものかと」  「そのためにはまず、通信システムの構築が必要だったの。でも、それもガイの協力でなんとかなりそうだし」  奥様がガイを見ると、ガイは、頷いた。  「ああ。我々魔族とて、好きで人と争っているわけではない。和平への可能性を模索することはやぶさかではない」  「というわけで、ここ、ティルの誕生の地にて私たちは、『通販』会社を立ち上げることにしました」  ミミル先生がにこやかに宣言した。  こうして、魔王と『渡り人』とカナンの村との共同事業が始められることとなった。  「最初は、王都に限って運営してみようとおもっているんだけど」  奥様が話した。  「このミミル先生の紹介で腕のいい魔道具製作者も見つかったし。ガイの協力で通信網もなんとかなりそうだし。後は、客なんだけど」  「それは、自分が協力するっす」  扉が開いて、勇者が現れた。  「自分が築いてきた王族とのコネをつかって広めていくっすよ」  「なんで、勇者様がここに?」  「いや、アカネに招かれたから」  「魔族の軍団のことは?」  俺がきくと、勇者は朗らかに答えた。  「いや、この度、停戦条約を結ぶことになったんすよ」  はい?  俺は、唖然としていた。  いったい、いつの間に、何が起こってこんなことに?  「すべては、ティルのおかげよ」  奥様がにっこりと微笑んだ。  「この和平も、新事業も、ね」  

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