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第62話

 5ー7 浮気ですか?  俺は、魔王城の自分の部屋へと足音高く帰るとそのままベッドへとダイブした。  なんか、面白くない。  胸がもやもやする。   俺は、1人で天井を見上げてため息をついた。  勇者様は、奥様が好き。  ミミル先生とサナは、できている。  じゃあ、俺は?  俺だけ、彼女もいないのにあと4ヶ月もしないうちに子供をうまなきゃならない。  男なのに。  俺は、がばっと起き上がった。  よし!  俺も恋活しよう!  俺とたいして年の変わらないサナができたんだ、俺もできるはずだ。  しかも、俺は、すべての魔族の番、だ。  その気になれば、かわいいケモミミちゃんとお付きあいだってできるはずだ。  そうと決まれば、善は急げ、だ!  俺は、魔王城の食堂へと向かった。  この時間、食堂には、早めの夕食をとるために下働きの魔族たちが集まっていた。  俺は、中でもメイド服姿の一団の腰かけているテーブルを目指した。  いるいる。  よりどりみどりの美女たちが。  俺は、そっと彼女らのテーブルへと近付いていった。  「マジで、すごいの」  うん?  それは、俺の部屋付きのメイドさんである狐の獣人であるメリノさんだった。  「魔王様、超絶倫!」  はいぃっ!?  俺は、近くの席に腰かけて彼女らの話しに耳をそばだてた。  そんなことには気がつかないメリノさんは、楽しそうに話を続けた。  「もう、朝まで何回も何回もなのよ」  「ほんとに?」  メリノさんの隣に腰かけたボンキュッボンの赤毛の美女が明るい笑い声をあげた。  「超羨ましいんですけど!」  「まあね」  メリノさんは、どやっという感じで胸を張ると続けた。  「あたしは、魔王様のためならなんでもするけど。あの方のために尽くすことがあたしの生き甲斐だから」  んん?  俺は、うつむいて考えていた。  どういうこと?  もしかして、ガイは、メリノさんとできている?  俺は、体を固くしてその話をきいていたが、だんだんと怒りがわいてきた。  ガイの奴~!  俺のことあんなに番だ、なんだと言っては、3日とあけずに抱き潰しているせに、あっ、最近は、ちょっと手加減してくれてるけど。  なにしろ、俺は、妊娠中だからな!  それにしても、俺の部屋付きのメイドさんとできているなんて!  びっくりだよ!!  不幸なのは、俺だけなのか?  俺がぐっと握りこぶしを固めていると、誰かが声をかけてきた。  「ティル様、お珍しい」  顔をあげると、ばぃんばぃんの巨乳が目に飛び込んできた。  それは、ガイの側近の内の1人であるサリュウさんだった。  サリュウさんは、大柄な美女で竜の血をひく一族の当主のお嬢様だ。  「どうされたのですか?お1人で、こんなところに来られるとは」  「サリュウさん・・」  俺は、サリュウさんをすがるように見上げた。  

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