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第71話
6ー2 プロポーズ大作戦!
『カエルのギルド』では、たくさんの竜たちが働いていた。
その竜たちをまとめているのがキュウだった。
キュウは、俺が魔王城の核となってから急激に成長した。
今では、幼いながらも人の姿をとれるようにまでなっていた。
透き通るような美しい銀の髪に凍えるようなアイスブルーの瞳の少年となったキュウは、まさしく竜の王となっていた。
今、キュウは、多忙を極めていた。
この春、カナンの村を上げて行われる祭りにあわせて奥様たちの会社である『中川商会』がセールとやらをしているからだった。
俺は、キュウが心配だった。
キュウは、時折、深夜に魔王城の俺の部屋を訪れては、俺の魔力を吸っていった。
まだまだかわいい子供だったが、それでも雄には違いない。
魔王は、キュウとテオのことは、大目にみているようだった。
それでも、俺がテオやキュウと夜を過ごした後は、心穏やかではないらしくひどく激しく求められた。
俺は、妊婦なんだが、ミミル先生がいうには、安定期だから大丈夫とか。
いやいや。
安定期だからって、ちょっとやりすぎだろうが!
俺は、腹の中の子供たちが無事に生まれてくるのか心配だった。
うん。
そうなんだよ。
子供たち。
俺の身ごもっているのは、双子だった。
まだ、さすがに性別まではわからなかったが、子供たちが腹の中で大きくなるにつれ、俺は、だんだんとこの子たちが愛おしくなってきていた。
だが、大きくなってきた腹に俺は、恐ろしさも感じていた。
だが、恐怖を感じる間もなく魔王に愛されていたし、魔族たちからも大切にされていたので、俺は、精神的にも肉体的にも満ち足りていた。
そして、満ち足りている者がすることは、常に同じだ。
つまりは、幸福のお裾分けだった。
俺は、ミミル先生とサナのために祭りにあわせて結婚式を企画した。
もちろん2人の同意を得てのことだた。
2人は、めっちゃ喜んでいた。
そして、俺たちは、もう一つ計画をたてていた。
それは、奥様と勇者のための計画だった。
題して、『祭りだ!わっしょい、プロポーズ大作戦』だ。
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