86 / 110
第86話
7ー4 魔王の都の花嫁
俺は、涙ぐみながら訴えた。
「赤ん坊が!」
「わかっている。お前は、心配しなくてもいい」
ガイは、俺の閉じられた太ももの間に昂りを押し付けると、俺に命じた。
「しっかり足を閉じていろ」
「うぇっ?」
ぐちゅん、とガイは、俺の閉じられた腿の付け根に熱いものを押し込んだ。
素股かよ!
俺は、裏からガイのものに擦りあげられてその気持ちよさに蕩けていった。
「はっ・・ぅんっ!」
耳元でガイの乱れた息づかいが聞こえる。
俺は、ガイが俺の体で高まっていることに喜びを感じていた。
「くぅ、んっ・・はっ・・」
ぐちゅぐちゅっと淫音が漏れる。
ガイの手が俺の前を掴み先端に爪をたてる。
甘い痛みに腹の奥から痺れるような快感が溢れてくる。
「あぁっ、あぅっ・・んぁっ!」
俺は、ガイの手の中へと白濁を放った。
少し遅れてガイも熱いものを迸らせる。
俺たちは、しばらく体を寄り添わせていた。
背後から伝わってくるガイの温もりが俺に安心感を与えてくれていた。
ガイは、俺の首もとへと口づけして囁いた。
「こんな体で女を抱けるのか?ティル」
俺は、低く呻いた。
ガイは、満足げに笑うと俺に告げた。
「いいか?お前の婚約は、この祭りの最後の日に発表する。拒むことは許されん」
「でも」
俺が言うとガイが俺を抱き締めてきいた。
「まだ、言うのか?ほんとに頑固な奴だな」
「あの子、サティ様は、それで納得しているのか?」
俺がきくとガイが低く笑い声をあげた。
「あの娘にとっては、この婚姻は、救いでしかないんだぞ、ティル」
はい?
俺は、首を傾げた。
救いでしかないって?
どういうこと?
「まったく、人間というものは不便なものだな」
ガイは、俺の耳を舌で舐めた。
「こんな婚礼でもなければ、あの娘は、愛する者と共にいられなかったのだからな」
愛する者ですと?
俺は、意味がわからなかった。
ガイは、くっくっと笑って説明してくれた。
「あのサティとかいう娘は、自分の騎士に恋している。騎士もまた、あの娘を愛している。だがこの世界のどこにもあの2人の思いが許される場所はなかった」
ガイが俺をぎゅっと後ろか抱いた。
「ただ、この魔王の都でお前の花嫁となることだけが、あの2人が共にいられる道だったのだ」
マジですか?
俺は、ガイの腕の中でため息をついた。
ともだちにシェアしよう!