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第2話
「まったく最悪なのだよ。カイは平気でしょうか」
2人は別々の牢屋にいれられ、千景は薄汚いベットに座っていた。時折ネズミが入ってきたが悲鳴を上げるような事ではない。
「さて、暇ですね。仮面を取られなかったのは良かった。誰かいい加減来ないですかね」
誰もくる様子はない。お腹も空いた。脱獄も考えてみようか。千景が立ち上がる。
「なんじゃ。わし以外に最下層で捕まっているものがおるとはな」
ここは最下層の牢屋だったか。最重要容疑者というわけか。まったく面白い話しだ。
「じいさんは何したんだ」
「じいさんではない。ヒョードルだ。まぁいい。わしは魔法を使ったから捕まった。それだけじゃ」
魔法。ますます分からない。からかっているのか本気で言っているのか。
「お前さんはどうして捕まった」
「目の前に花壇に頭から突っ込んで死んでいる遺体が目の前にありまして、何も事情を聞かれる事なく、ここに連れてこられたのだよ。もう1人。何処かにいるはずなんですけどね」
カツンカツンカツン。下に降りてくる足音。聞き慣れた粗暴な声が聞こえてきた。
「同じ話何度も聞きやがって、ふざけんじゃねぇ。ああ。黙れ。てめぇらが俺を離したらいいじゃねか」
千景の隣の牢屋の鍵を開ける音。2人の兵士が立ち去った。
「カイ。無事か」
「てめぇは無事そうだな。俺も怪我はねぇ。面倒なことにはなりそうだ」
さっきまで受けていた取り調べの内容を、カイは話してくれた。
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