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第9話

「どうした光希?眠れないのか?」 なかなか眠れずにいたら遼に声を掛けられた。 「暑いようならクーラーの設定温度を下げようか?」 「大丈夫です」 「そうか。じゃあミルクティーでも一緒に飲むか?」 なんでミルクティー?と思ったけど遼の折角の誘いを無下に断る訳にもいかず。 俺の服にしがみついて寝ている龍を起こさないように、細心の注意を払いながら手をどかしベットからそぉーと抜け出した。 「もう二度と俺や信孝には関わらないほうがいい」 「昆さん?」 「きみはカタギで、信孝や俺たちはヤクザだ。生きる世界が違う。きみやきみの家族、大切な人たちを危険な目に遇わせるかも知れない。ひとたび抗争が起きたら間違いなく巻き込むことになる。今ならまだ間に合う」 「昆さんが心配してくれるそのお気持ちだけありがたく受け取っておきます。信孝はたったひとり、慣れない土地で頑張っています。信孝は俺の両親に最初に会ったときに自分のことを包み隠さず正直に伝えました。両親は信孝の実家がヤクザだと知ってはじめは驚いていたけど、友だちでいることには反対しませんでした。信孝が遊びに来ることも夕ごはんを食べに来ることも大歓迎。いつでもいらっしゃい。そう言って快く迎え入れてくれました。だから、これからも信孝のそばにいるつもりです。信孝と仲のいい友だちでいようと思います」 「妬けるな」ぼそっと昆さんがそう言ったような気がしたけど、 「なんでもない」 首を振るとミルクティーが入ったマグカップを口に運んだ。

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