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二人きりの駅。
泣き伏せる俺にアイツは優しく声をかけると、肩に自分の手を置いた。
「だめですよ葛城さん、俺みたいな後輩に簡単に頭を下げちゃ! 葛城さんは俺よりも先輩で、俺の目標だった人なんですから、カッコいい葛城さんのままでいて下さい…――!」
「っ、阿川……!」
「課長や周りが葛城さんのことを悪く言うなら2人であいつらを見返してやりましょうよ! 俺、今度はもっと要領が良い男になって貴方を全力でサポートします! きっと葛城さん良い気分じゃないですけど、俺はそれでも貴方を支えたいんです!」
「阿川っ……! おっ、俺はお前を…――!」
「もう良いんです、葛城さん。俺に全部話してくれて有難うございました!」
「っ…っう……!」
目の前で惨めにも泣くと、そこで肩を震わせて泣き続けた。そんな俺を阿川は何も言わずに、そっと抱き締めてきた。何故か抱き締められると心が安心した。不思議だ。こんな奴に抱き締められて安心するなんて……。
モゾっ
「ん?」
その瞬間、体に妙な違和感を感じた――。
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