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45.流される弟子※
楔を抜いて、荒く呼吸を繰り返すレイヴンを撫でて落ち着けようとするが、レイヴンは真っ赤な顔をしてテオドールを睨み付ける。
「……朝から、襲いかかるとか……アンタは、猛獣か…っ!!」
「怒るなってー。レイちゃんに触れてたら、つい?」
「それが……いつもの、常套句なんでしょう?側にいるからって、俺を捌け口にするなって、何度言ったら……」
「だから、そうじゃねぇって。それもなくはないが、それだけじゃねぇ」
「……弁明しなくて、いいです。はねのけられない、俺が悪いんです。いつもこうなるし……あぁ、もう。全部、師匠のせいですから」
ふいとレイヴンが顔を背ける。テオドールは乱暴に頭を掻きむしると、覆い被さりレイヴンの肩口に顔を埋める。
「捕まえているはずなのに誰かに掻っ攫われるとしたら、力にモノを言わせて引き留めるのが手っ取り早いのが世の常だ」
「何ですかその妙な例え。……そんなパワープレイするのは師匠くらいじゃないですか?」
「お前は俺のだし、文句は言っても側にいてくれるだろ?」
「いや、それは……腐っても、魔獣でも、俺の師匠じゃないですか。弟子として、補佐官として側で支えるのが当たり前ですし。それを言うなら、俺の方が不安ですよ。毎回、やられ損みたいな気がして……」
ククっと肩を揺らして笑い、レイヴンの首筋に吸い付いて跡を残す。
「んっ、また、そういうことを……」
「やられ損じゃねぇだろ?外で遊びもせずに、レイちゃんばっかり構ってる訳だし」
「はぁ……まぁ、外で女の子にちょっかいかけて迷惑かけるよりはいいと思いますけど。師匠にいいようにされてるのが、なんだかなぁ……」
「それはコッチの台詞だ。なーんかいつも触りたくなるんだよな」
ペロと首筋を舐めてから、擽ったそうに逃げようとするレイヴンを囲って口付ける。
レイヴンは嫌がっても、与えられるものには抗えずに視線だけで何とか反抗しようとするのが精一杯だ。
「も…ホントに、サボる気ですか……?」
「何だ?レイちゃんはその乱れっぷりで外に出たいって?」
「……誰のせいですか、誰の!!分かったら解放してください!」
「……嫌なこった。今日はサボるって決めたんだよ。最後まで付き合ってくれるだろ?」
大型犬のように、テオドールが甘えて身体を寄せる。奔放な行為にどうしようもないと辟易してるのに、レイヴンも突き放すことができない。
「……下半身を、擦りつけないでくださ……」
「反応しちゃうか?それはそれで、いいんじゃねぇの?本当はもうちょいセーブできるはずなんだがなァ。レイちゃんと遊んでると、いつも早ぇよな。色々」
いつの間にかレイヴンの服は全て剥がされてしまったので、上から身体ごとグリグリと擦られる。先程の残滓がぬちゃりと、聞きたくない音を耳に届けてくる。
「話すか、するか、どちらかに……んんっ…」
「どっちもヤろうぜ?ダラダラすりゃあいいだろう?」
「怠惰すぎる……っ、ん…」
「たまにはいいだろ」
「サボりは、いつも……ぁっ!」
お小言を黙らせようと、テオドールが胸の突起を摘み上げる。感度が良いのか、いつもイイ声を聞かせるレイヴンを見遣り満足げな笑みを浮かべる。
「今日も感度良好だな?」
「……」
反抗するようにレイヴンが何も言わずに黙ってしまう。意地悪げに笑むと、突起を口に含んで吸い上げ、開いている手で反対側の突起も弄っていく。
「……っ、…ぁ――――」
「感じない方がつまんねぇんだから、我慢しなくていいのにな」
「…ぅ……――」
ムキになっているレイヴンは自分の手を噛んで声を我慢する。その様子に笑みを深めて、グリとさらに摘み上げる。
「…っ、つ……――」
「赤くなっちまったなァ。コレはコレで美味そうでイイか」
プクリと赤くなったのを確認してから離し、文句すら我慢しているレイヴンを可愛がるように、下半身に手を伸ばす。
「……ぁふ、…っん――」
「さっきは無理矢理やっちまったし、今回は愉しもうぜ」
首を振って拒否の意を示すレイヴンの手首にキスを落とす。レイヴン自身に刺激を与えながら、目元に口付けて滲む涙を下で掬い取る。
「そんなに嫌がらなくてもいいだろ?」
「……じゃ、ない…から」
「ん?」
「嫌…じゃ、ないから。嫌、なんです」
「また、訳の分からないことを」
熱い吐息を逃しながらレイヴンが少しだけ言葉を紡ぐが、要領を得ない言い方にテオドールも苦笑する。
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