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第21話

なんで自分の部屋でこんなイライラしなきゃいけないんだ? ―――クソ、触りてえ! 蹴られても殴られてもいいから、尻撫でまわしてえ!! 太ももも背中も、寝相悪すぎて丸見えなんですけど? ボクサーパンツだから尻の窪みまでしっかりと妄想出来るの、無理過ぎる。 目の毒すぎて、理性が今にも消えかかっている。 ―――勃ちすぎてやべえな……。 痛すぎてトイレで何回か抜いたのに、部屋に戻ればのぞがいる地獄ループ。 1分前に抜いたはずなのに、のぞを見るだけで膨れ上がる正直すぎる下半身に狼狽する。 真冬に水シャワーで心頭滅却できるはずもなく、湯気とともに流れ落ちる精液を何度も排水溝に見送った。 安心しているのが分かるから、余計に虚しい。 同性だし幼馴染だし、気を許してくれているのは嬉しいけれど。 だけど、全く意識されてないんだなと思うと、悲しい。 やらしい目で見られているんだから、もっと気をつけろよ。 この格好で寝てて、俺に襲われてもいいんかよ? 男に告られまくってんだから、いい加減自覚しろよ。 俺だって、いつまでも安牌じゃいられないんだけど……。 マジで、限界なんすけど……。 寝顔は天使。 でも、やってることは悪魔。 ―――とりま写真撮ってオカズにしよー……。 カシャカシャと写真に収めていると、のぞの股間が膨らんでいることに気がついた。 「は?え、マジで……勃ってる?」 え、なんで? いや、普通に朝勃ちみたいな生理現象なんだろうけど、のぞも勃つんか……。 そりゃセックスするくらいだから、当たり前か。 そんな当たり前のことを納得するまで時間がかかるくらいには、混乱を極めていた。 手汗が酷くて何度もズボンで拭いながら、膨らんだ股間に目を奪われる。 何度も喉を鳴らしながら、自分の荒い呼吸音と飛び出しそうな心音が静かな部屋にやけに響く。 冬にも関わらず、尋常じゃない汗が身体から噴き出す。 身体が中から炙られているように熱くて、全身から水分が抜けていくのを感じた。 自分の肌着もズボンも先走りの愛液でぐっしょり濡れていて、太腿まで伝っている。 でも、そんな些細なことはどうでもよかった。 のぞは熟睡しているようで、規則正しい呼吸音と上下する胸の動きをじっと見つめる。 ちょっと見るくらいなら、起きないよな? 絶対に、絶対に起きませんように!! そう願掛けしながら、足音を立てないようベッドまでそっと近づく。 ゆっくりとしゃがみ込んで、のぞの顔を慎重に見つめながらパンツの食い込みを指で捲る。 プルンと目の前に飛び出したそれは、のぞの太腿や腹の肌の色と遜色なく繋がっていた。 玉や裏筋は少し赤みを帯びていて、グラデーションがとても綺麗だ。 異国の血が流れているせいか、身体の割にはサイズがでかい気がする。 俺のとは全然違い、グロテスクさはまるでない。 それを覆う茂みは、髪の色と同じで金色と茶色が複雑に混ざり合っていた。 しかも、生やしっぱなしの俺と違い、しっかりと細部まで管理が行き届いている。 ―――のぞって、こんなとこまで綺麗なの? 息遣いも顔色も乱れはなく、捲られても平然と寝続ける幼馴染に怒りすら覚える。 流石に敏感なそこに触ると起きるだろうから、後ろ髪を引かれる思いでしまいこむ。 興奮しすぎて、息が上手く吸えない。 肩で息をしながら、その場に力なくしゃがみ込んだ。 緊張しすぎて手が震え、目の奥には先ほどの光景がこびりついている。 ゲイ向きのAVを興味本意で見た時の、あの生々しい感じとは、全然違う。 もっとグロテスクさを残してくれていたら、もっと見るに堪えないモノだったらよかったのに……。 ある意味想像を超えていて、超え過ぎていて、動悸が止まらない。 のぞのなら、全く抵抗なくしゃぶれるわ。 むしろしゃぶりたいとさえ思う自分の欲望に気がついて、絶望した。

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