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男の子を好きになったら・・・ダメなのかな(終)

 その夜、私は本当に幸せを感じていました。実際、誰かとこんなにも『親密』にしたことはなかったですし・・・  私はもう、ツカサに夢中になっていました。  二日目、三日目、昼の明るい時でも、私たちは一緒にいたのですが、去年よりも大胆に、ずっとくっついていたと思います。  遊ぶ時もそうですが、少し休む時も、彼が畳に座れば私はその後ろから彼を抱いて座りました・・・まさに表紙のような感じ。私が右で、彼が左、でしょうか。  当然、周りの目がありました。おかげで、ちょっとばかし噂になってしまいました。アヤシイ二人だと・・・  でも、正直もうどう思われてもいいと思ってました。それよりも私は、一秒でも長く彼と触れ合っていたかったのです。  残念ながら、二日目の夜は二人きりになるチャンスがありませんでした。  そして三日目の夜・・・もしその夜も二人きり(といっても布団の中の話ですが)になれなければ、私はきっと失望で涙したでしょう。でも、三日目の夜は早く寝ることになったのです。  皆が寝静まったあと、私とツカサは同じ布団にもぐり、また話をし始めました。周りに人がいて、下手をすれば二人の秘め事がばれてしまう状況・・・でも私は、ツカサに夢中になっていたことと、そして最後の夜ということで、本当に大胆になっていました。  キスをして、そしてお互いを触りあって・・・そうしている内に、ふと、私は無性にあることをしたくなってしまいました。  私の手の中にある、ツカサのかわいいものを・・・ 「ねえ、ツカサ。ちょっと、いいかな」  そう言うと私は、自分の体を布団のさらに奥へと潜らせ、ツカサのジャージと、そしてパンツを足の中ほどまで下げました。  ツカサは、私のされるがまま大人しくしています。私は、ツカサの、そのかわいいものを、ゆっくりと口に含みました。  どんな味がしたのか、それは覚えていません。彼の小さなものを口の中に入れたくなった。フェラなんて全く知らなかった中学生が、ただ自然に湧き上がってきた欲望のままに、そうしたのです。  ひとしきり舐めた後、私は元の位置に戻り、ツカサに「どう?」と尋ねました。 「なめたの?」 「うん」 「汚いよ」 「そ、そうかな」  ツカサの反応は、予想と反して、あまりいいものではありませんでした。きっと、下手だったのでしょう。 「じゃあさ、ツカサ、セックスしよか」  もちろん私は、セックスの何たるかも知らない子でした。「どこかにおちんちんを入れる行為」なのはわかっていても、「どこに」かは謎だったのです。  でも、ツカサは男の子です。入れるところは一つしかありません。ツカサもそれは分かったようです。 「入れるの?」  ツカサは私にそう聞きました。  このシーンを思い出すと不思議に思うことがあります。  ツカサは自分が「受け」だと思っていたようです。そして私も自分が「攻め」だと思っていました。どちらがどうするか、という疑問は、二人の間にはなかったのです。  私が「うん」と返事をすると、ツカサは「入るかな」と首をひねりました。 「してみようよ」  そう言うと私は、布団の中、彼の足の間に体を入れて、自分のものを押し付けてみました・・・  今から考えると、本当に大胆で、無謀で、そして怖いもの知らずだったですね。誰かが見ていたらどうしたのでしょう。  でもそんなことは考えてもいませんでした。ただ、ツカサと繋がりたい。それだけが私の願いだったのです。  でも、もちろん、入るわけがありません。しばらく色々試した挙句、私たちは繋がることを諦めました・・・  私とツカサが一番親密になったのはその年でした。  次の年は三夜ともチャンスはなく、ツカサが中三になった年は、ツカサが受験勉強で、私は部活で、ともに来ることはできませんでした。(これは後で知ったことです)  その後、今度は私が忙しくなり、結局次にツカサに会ったのは、お互いが大学一年生になった時でした。(私は一浪してしまったので)  再会したときは、仲のいいままではあったのですが、オブザーバーとしての参加だったのと、さすがにお互い大人になって分別が付いたのとで、もう「秘め事」をすることはありませんでした。  その後は、もう私も林間学校には参加しませんでした。  ある女性に恋をし、それが破れ、別の女性と恋人関係になり、そして初体験をし・・・  普通の男性のように歳を重ね、そして今に至ります。  彼とは会うことも、連絡を取り合うこともありません。今どうしているかも知りません。  彼が果たして、私に対してどういう感情を持っていたのか・・・私には判りません。でも、少なくとも私は彼のことが好きでした。それは「友人」としてではなく、「恋人にしたい相手」としてです。  子供の頃も大人になってからも、色々な黒歴史を持っていますが、でも彼との思い出は黒歴史ではありません。  私は彼に、恋をしていました。それはいまでも、キラキラと輝く美しい思い出として残っています。 ※ ※  ということで、私のBL体験談、いかがだったでしょうか。  もっとハードな展開にすれば、面白い物語になったかもしれません。でも、彼との間にあったことをありのまま、リアルにお話ししましたので、これで終わりです。  私と彼との関係が、「そんなことよくあることでしょ」なのか、「そんなこと、リアルにあるの?」なのかは分かりません。  もし、「そんなことがリアルにあるなんて、きゃー!」と喜んでいただけたのなら、お話した甲斐があったと、うれしく思います。  実は、話の最後をこういう文言で〆ようと思っていたのです。 「男性に恋をしたのは、後にも先にも、彼ひとりでした」  ところが、ですよ。  二人目が現れてしまいました(笑)  いや、まあ、Vtuberさんなので、それが「恋」なんて言えるかは分かりませんけどね。  もし、可能なら、そのVtuberさんの話もしたいななんて思っています。  ということで、長々とお付き合いいただきありがとうございました。  次回は「地雷」について書いてみたいななんて考えています。  ではみなさま、またお会いしましょう!  コメント、アクション、お待ちしています!

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