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流されて①
両方の足首を掴まれ、高く掲げられたかと思うと、そのまま彼の肩へ。
足を大きく開かれ、かなり恥ずかしい体勢にされてしまったけれど、体からは完全に力が抜けていたからどうする事も出来なかった。
「分かる?お前のここ、物欲しそうにめっちゃひくひくしてんの。
昨日散々抱いたから、完全にメス穴になっちゃったみたいだな?」
軽く指先で突かれ、反射的に体が大きく震えた。
このまま挿れられてしまうのだとしたら、普通ならば恐怖に感じるべきところなのだろう。
なのに僕にあるのは、期待感だけで。
……早くまた彼の大きく逞しいモノで、激しくぐちゃぐちゃに犯されたいと願ってしまった。
そんな僕を見下ろしたまま、彼はフッと小さく笑い、顔をじっと覗き込んだ。
「なぁ、大晴。
欲しい?欲しくない?」
僕の願いを分かった上で最終的な決断をすべて委ねてくる辺り、本当に底意地の悪い男だと思う。
でも体の方は、もう限界で。
……僕ははぁはぁと浅く荒い呼吸を繰り返しながら、気付くと必死に訴えていた。
「欲し……。お願い、早乙女くん。
早く……!」
だけど彼はニヤニヤとゲスな笑みを浮かべ、わざとらしく芝居がかった様子で言ったのだ。
「駄目。……俺の事は、なんて呼ぶんだっけ?」
その答えが分からず、快楽に溺れた虚ろな目を彼に向けると、今度は優しく微笑んで、額にキスを落とされた。
「遼河 、だろ?ちゃんと名前で呼ばないと、これはあげない」
いつの間にか彼も僕も、生まれたままの姿になっていた。
凶器にも等しいサイズの早乙女くんの分身を見せ付けられ、ゴクリと喉が鳴る。
そんな言葉を求めてくる辺りにも、後から考えたら彼の僕への異常な執着は如実に表れていた。
しかしこの時の僕は『キモチイイ』って事しか分からなくなっていたから、それに気付いてすらいなかった。
「りょ……が……くん、切ない。
お願い、助けて……」
震える声で名を呼ぶと、彼はこれまで僕には見せた事がないくらい嬉しそうに笑い、熱くてかたいソレを僕の中へと捩じ込んだ。
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