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欲しい②

 本当は口でしていた時から、ずっと欲しかった。  だから挿れて貰いやすいように腰を上げ、自ら彼を求めた。  すると彼はクスリと笑って僕のお尻を掴み、少しずつ中に侵入してきた。 「中、あっつ……ヤバい」  彼の唇が僕の背中に触れ、強く吸われているのを感じる。  またしても痕を残されたのだと気付きながらも、それが少しだけ嬉しかった。  一番奥に到達すると、自然と卑猥な吐息が零れた。 「ここが、良いんだろ?  ほら。突いてやるから、逝けよ」  何度も最奥を突かれる度、甘い疼きがそこから全身に拡がっていく。  肩に軽く歯を立てられて、その痛みすらも快感に変わった。  ガクガクと震え始めた、僕の体。  達する瞬間キスで唇を塞がれて、喘ぎ声すらも奪われる。 「キスしながらだと、スゲェ締まる。  えっろ……」  ククッと楽しそうに笑いながらも、止まらない彼の腰。   「逝った……。僕もう、逝ったから……!」 「うん、知ってる。……でも、だから何?」  僕の必死の訴えは無視され、抽挿はさらに激しさを増していく。  ぎゅっとシーツの裾を握り締めていたら、没収され、代わりに手を握られた。  パンパンと彼が腰を打ち付ける音と、その度響くぐちゅぐちゅといやらしい水音に耳まで犯されて、我慢しようとしていた声は、いつの間にか溢れ出していた。 「まだ、終わりじゃねぇから。  逝くのは良いけど、堕ちんなよ?」  達するまでの間隔はどんどん短くなり、境目が分からなくなっていく。  もうやめて欲しかったはずなのに、まだやめて欲しくない。  ……ずっとこのまま、彼にめちゃくちゃに抱かれていたい。

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