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はじめてのおつかい③
……正直なところ、彼の説明してくれた内容がいまいちよく分からない。
そしてそれが、僕の表情から伝わったのだろう。
ご丁寧にもその店員さんはサンプル品を手に、さらに詳しく教えてくれた。
「えっと……まずこの穴に、ち○こを突っ込むでしょ?」
そのオモチャに、三本の指をズボッと突っ込む店員さん。
……分かりやすいけれど、これはさすがに生々し過ぎる。
ドン引きする僕の様子に気付く事なく、彼は明るい笑顔で続けた。
「んで、ここのエアホールを指で押さえたまま引き抜くと、バキューム機能が作動するんすよ。
中はスパイラル状になってるから、出し入れするだけでマジでヤバいぐらい気持ちいいんで、オススメっす!」
「そう……なんですね……。
……じゃあこれも、一緒にお願いします」
手に持ったスマホから、ふたりが爆笑する声がかすかに聞こえてくる。
……恥ずかしさで、今なら死ねる気がした。
精算を済ませると、店員のお兄さんにお礼の言葉を述べ、ペコリと礼をして店をあとにした。
時間にしたら、その間およそ10分。
だけど僕には、永遠にも思えるほど長く感じられた。
自動ドアを通り抜け、外に出るとそこには、ニヤニヤと嫌な感じの笑みを浮かべて僕を待ち構えるふたりの友人。
無言のまま商品の入った袋を差し出すと、先に知之が手を伸ばし、それを受け取った。
そしてその中身を確認すると、彼は感嘆したように言った。
「スッゲェ!大人のオモチャも、ちゃんと進化してんだな。
……使った感想、俺にも今度ぜひ聞かせてくれ」
「だな。俺も、知りたぁい🖤」
ふざけた口調で、同調する遼河くん。
しかし彼らのその申し出は、丁重にお断りしておいた。
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