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怒ってる? 13
壮馬は小さく首を振ると、リチャードの手から逃れようと身体を動かした。
だがリチャードはそれを許さず、突起をきゅっと強く摘まみ上げる。するとピリッとした痛みと共に甘い快感が背中を駆け抜けていって身体が仰け反った。
「んあ……ッ!」
その反応を楽しむようにリチャードは何度も捏ね回すように刺激を与えてくる。その度にビクビクと腰が跳ね上がり、唇からは甘い嬌声洩れ、慌てて手の甲を噛んで堪えた。
「んっふ、んん……っ!」
そのまま舌先でぐりぐりと押し潰される。かと思えば歯で甘噛みされて軽く引っ張られる。その度にジンジンとした痛みが走り、下腹部がきゅんきゅんと疼いて止まらなくなる。
もう片方の胸も休む暇なく指先で弄ばれ、痛い程に張り詰めた突起を爪でカリカリと引っ搔かれ、指先できつく押し潰されて……。
執拗に胸の飾りばかりを弄られて堪らず腰くねらせ悶える壮馬を見て、リチャードはふぅと息を吐きだし髪を掻き上げるとゾクゾクするようなセクシーな声で囁いた。
「ソウマ……残念だ。ソウマは何もしたく無いんだもんな……。もう少し堪能したいところだが……これ以上は理性が持ちそうにない」
「――えッ」
ふっと、それまで圧し掛かっていた重さが消え、温もりが名残惜しそうに離れていく。
「え……ッ、あの……か、監督?」
壮馬は困惑の表情を浮かべて上体をゆっくり起こすと、リチャードがベッドから降りるのを呆然と見上げた。
「どうかしたか?」
「いえ……、あの……」
(続きは……しないんですか……?)
なんて口に出せるわけが無い。壮馬はもごもごと言葉を濁して俯いた。
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