25 / 155
02-15.
……気持ち悪い。
レオナルドは眉間に皺を寄せた。
「……満足したか」
ジェイドを睨みつける。
落ち着きを取り戻した陰茎は既に下着の中に仕舞われており、何食わぬ顔をしてジェイドは座っている。
「屑野郎が」
レオナルドは涙と唾液、精液で顔を汚されたというのにもかかわらず、応接室に案内された時と同じような余裕そうな表情を浮かべているジェイドが気に食わなかったのだろう。
元々は伯爵家に非があったということを忘れたかのように悪態を吐く。
「ここに座れよ」
ジェイドは悪態を吐かれたことを気にしていないのだろう。
距離を取ろうとするレオナルドの腕を掴み、引っ張る。
「お前の隣になんか座りたくない」
掴まれている腕を振り払おうとするが、離れない。
「隣じゃない」
ジェイドは自身の太ももを叩く。
それからレオナルドが座れそうなくらいに足を開く。
「また床に座れって? 俺は和解する代わりに結婚してやると言っただけで、奴隷になるとは言っていない。勘違いするなよ」
レオナルドはジェイドの動きなど見ていないと言わんばかりに見当違いなことを口にした。それから相手にする義理もないと顔を反らした。
……膝に座れなんてふざけたことを言いやがって。
ジェイドの意図には気づいていた。
何が目的なのか、わからない。
しかし、先ほどまでのことを考えるとろくな目に遭わないことだけはわかる。
「抜かないと苦しいだろ?」
ジェイドの言葉に対して、レオナルドは舌打ちをした。
「問題ない」
……事故のようなものだ。
喉の奥まで陰茎を出し入れされたことにより、窒息死の危険を身体が感じ取ったのだろう。死の間際に立たされると子孫を残さなくてはならないと身体が勝手に判断し、陰茎が反応をすることがある。
それはレオナルドも例外ではなかった。しかし、元々性欲が少ないレオナルドは僅かに起き上がっているだけで、十分ほど放っておけば勝手に治まるだろう。
ともだちにシェアしよう!