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03-11.

 それにより正常な思考回路は少しずつ薄れていってしまっていることにレオナルドは気づいていなかった。 「んんっ」  思考が上手くまとまらない。  頭の中に靄がかかったようにぼんやりする。 「んっ!」  手で押さえていても声が出てしまう。  その間もジェイドは乳首を弄るのを止めなかった。  ……おかしくなりそう。  自分で性処理をする回数など月に一度あれば多い方だ。  普段は研究や事務仕事に追われ、疲れたまま眠ってしまう。溜めすぎると身体に悪いという話を聞いた為、月に一度ほど健康管理の一環として処理をしていた。  その時の快感とは明らかに違う。  乳首を吸い上げるようにしていたジェイドの唇が離れた。唾液と与えられた快感により主張を続ける乳首に爪を立てる。 「ひゃんっ」  高い声が出た。  レオナルドの隠しきれていない声を聞き、ジェイドの頬も少しずつ赤く染まっていた。  興奮を隠しきれていない下半身を誤魔化すようにレオナルドを気持ちよくさせることに集中しているジェイドの眼は、理性を失いつつある獣のようだった。 「レオ。気持ちいい?」  ジェイドは左側の乳首を舐めた。  唾液で濡らされた両方の乳首を指で押したり、摘まんだりを繰り返す。 「声を抑えないで」  ジェイドの言われた通りにしてしまう。  レオナルドは恥ずかしくて仕方がないと言いたげな視線をジェイドに向けながらも、必死に声を抑えようとしていた手を退かす。 「真っ赤になってる。可愛いな」  頬に口付けをされた。  触れるだけの口付けでは物足りない。そう訴える目に気付いたのだろう。 「愛しているよ。レオナルド」  愛を囁き、唇を重ねる。  見知った場所のように好き勝手に動かされる舌の動きに合わせようとするレオナルドさえも愛おしいと思っているのだろう。

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