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第1話
興味本位だった。
童貞は利用料金が半額になるBARがあるらしい。
俺はそんなのジョークだろって笑ったが珍しいゲームもできると言われてまぁ酒が飲めてゲームができるのはいい。それに童貞好きの痴女が居るかもしれない。ほんの少し期待を抱かせながら足を運んだ。
店内は明るく若い女の子が大半で、大学生ぐらいか20代後半のイケメンスタッフといちゃいちゃゲームを楽しんでいた。
巨乳の痴女なんていなかった。そもそもスタッフは男しかない。
騙された。きっと一人で来店した俺をあんなジョーク信じてたんだ、あいつ童貞だって馬鹿にされているんだ。っとぶつぶつ心の中で呟いていると奥の暖簾から美人がでてきた。といっても男だが。
俺よりも背が高く、艶々な黒髪ポニーテールがゆらゆらと優しい風に揺られる。
色素の薄い瞳に俺を映しながら微笑んだ。
「こんばんは。初めてですか?」
低い男の声だった。
だが、すらっとした黒いスキニーから覗く膝小僧が妙に色っぽい。
いやいやなに考えてるんだ俺。
「ああ、はい」
「ふふっ。緊張されなくても大丈夫ですよ。きっと楽しい時間を過ごせますから」
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