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退屈凌ぎには、丁度良い賭けになる。
私は、天界での出来事を、刻んでおかないといけない。無論、ウリエルが、ゼウダ-卿に、堕ちるまで。
そして、彼が動く、その時まで。
醜い争いが、発端で、導かれるのが、破滅なら。
一層の事、掃除をしてしまえば良い。
蛆虫は、蛆虫らしくという言葉をあげたくなるわ。
ー…叔父様。
何時かの日…。
天罰は、降り注ぐものだと、頭の隅に置いていて欲しいですわ。
どんなに、隠していても。
「貴方の臭いは」
死臭に近い匂いがしますの。
異端天使を集めているという噂が流れている。それは、上層部が、隠したがる残酷な実験だから。
きっと、次なる被験者を決めているのだろう。
中々、尻尾をフリフリしてくれないから。
警戒心強い彼が、気を抜く日があるのか不明だけど、肩の荷を下ろす時はある。
「私に、お逢瀬する時は、仕事の疲れを抜いている」
けど、それも、演技に違いない。
後は…。
性行為の時だったりするのだろうか。
「…」
脳裏が、拒絶反応を起こしますわ。
叔父様に、抱かれる日なんて、一生、来なければ良い。
願わくば、破滅してしまえと、付け添えたいですわ。あの、根暗神王、愛情不足の中で、手に入れたのは名誉と富ですもの。
白き絶対神『サファリア』は弟の賭けに乗った。
それは、今でも綴られている物語が、真実を隠しているから。
現神王『クラエル』と亡き神王『ギリセ』の母親である創造神『クラエティア』は、狂って亡くなっていった。
これが、天界に伝わる神話。
実際は…。
闇の中ですもの。
誰も知らない真実は、秘密の中に封印されたまま。
紐を解く日は、まだ、早い。
そう、水鏡に映る白き薔薇が、告げている気がしたわ。
ウリエルが、動揺を見せた青い炎は、今だ、燃え続け、狩られる側の動きを待っている様だった。
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