56 / 56

エピローグ:鬼畜と純情

 ピンポーンッ♪  休日。  アパートにいた統と司と椿のところに、宅急便が届いた。 「わりぃ、いま手が離せないから、アニキ、出て」 「……ッ! ……むっ――ゥゥッ……!」  ソファにひっくり返ってスマホをいじる司と、その股のあいだにしゃがみこみ、ペニスをしゃぶる椿。  椿の頬はまるでリスのように大きく膨らんでいる。 「手が離せないじゃなくてチンコが離せないんだろ」  ため息をついた統が向かいのソファから立ち上がり、荷物を受け取りに玄関に行く。 「カメ宛てに荷物来てるぞ」 「え? なに?」  椿の髪をつかんだ司がソファから立ち上がる。 「――ふっ……ぐぅぅぅっっっ……!」  髪をひっぱり、持ち上げられながら、椿は、けんめいに司のペニスをほおばり続ける。 「見せて」  統から大きな段ボール箱を受け取った司は、送り状に書かれた、お気に入りの高級ブランド名に目をとめ、 「これって……?」  不思議そうに首をかしげる。 「……あっ――!」  それを横目で見た椿が、司のペニスから口を離し、 「ま、待ってくたさい、それは……!」  司が持っている段ボール箱を奪おうとする。  が、すっとかわされ、ソファに倒れこんだところを、司にがっちりホールドされる。 「なに勝手にやめてんだ。まだおしゃぶりの途中だろ?」  ペニスでペチペチと頬を叩かれ、ふたたび口に突っ込まれる。  「ぐっ……! うぐっ……!」  喉奥を穿つ極太ペニスがピクピクッと脈打ち、 「あーこいつの喉マンやっぱサイコー。ごほうびにザーメン飲ませてやるよ」 「……んっ……! うっ、うっ、うぅっ……ンッ!」  口いっぱいにぶちまけられたザーメンを目を白黒させて飲みほした椿は、床に下りて土下座すると、 「たくさんおチンポミルク飲ませていただき、ありがとうございました……」  絨毯に額をこすりつけ、礼を言う。  そして、 「お掃除フェラさせていただきますね」  ソファに脚を開いて座った司のペニスに舌先をつける。 「むっ……ふっ――うっ、んっ……」  椿に掃除をさせているあいだ、段ボールを開けた司は、 「え――」  と目を丸くした。  そこに入っていたのは、高級ブランドのショルダーバッグだった。 (これっておれのほしがってた――) 「あ……」  司の股から顔を上げ、 「前に一緒にショップに行ったとき、司さまがそれに興味を持っていたので、お誕生日にプレゼントしたいな、と思って、バイトしてお金ためたんです」  と椿は打ち明ける。 「な……?」 「限定販売で個数制限があったので、売り切れないうちにと思って急いで購入したんですけど、思ったより来るのが早くて――ほんとうはちゃんと手渡ししたかったんですけど――」  舌で舐めきれいにした司のペニスをそっとトランクスのなかにしまい、 「ちょっと早いですけど、お誕生日プレゼントです。お誕生日……おめでとうございます」  にっこりと微笑む。  司の誕生日は3日後だった。 「……もしかしてこのためにバイトしてたのか?」 「はい――」 (マジか――)   「なになにぃ? 誕生日にヴィ〇ンのバッグ? いーな。おれも同じ誕生日なんだけど。双子だから」  横から統が口を挟む。 「あっ、ごっ、ごめんなさいっ……だ、だったらこれ――ヴィト〇の空箱。メ〇カリで売れるみたいなんで――」 「えー? なんだよそれ。おれは箱だけかよぉ」  ケラケラ楽しそうに笑う統。 「……だったら最初からそう言えばいいだろ。よけいな詮索させやがって……」 「ごめんなさい。内緒にしたくて――」 「――もういい。こっちに来い」  顔を赤くした司は、自分の横のソファをポンポン、と叩く。 「は、はい……」  失礼します、と縮こまり、司の横に腰かける椿。  その肩を抱いた司は、 「バイト――もう辞めたのか?」  と聞く。 「あ――ごめんなさい、まだ――だけどもう辞めるというお話は店長にしました。早ければ今月いっぱいくらいで辞めるつもりです」 「……ほんとうは辞めたくないんだろ?」 「え……?」 「その――おまえ言ってたじゃん。人並みの仕事がしたいって。もしもそれがおまえの願いなら――バイト、続けてもいいんだぞ?」 「ほんとうですか……?」  パッと顔を輝かせる椿。 「ああ。ただし、いつシフト入るかはおれに教えろ。あと言い寄ってくる客がいたらその日のうちに知らせろ。わかったな?」 「は――はい……」  額にふわりとかかる椿の前髪をかきあげ、瞳を覗きこんだ司は、 「バッグ――すげぇ気に入った。ありがとな」  優しく微笑む。 「司さま……」  はにかんだ椿は、 「あ、あの、ひとつだけ約束して欲しいことが――」  おずおずと打ち明ける。 「その――バイト先に来て、ヘンないたずらはしないでくださいね……」 「……なんだよ、それ」 「仕込んでおいたア、アナルバイブのスイッチ入れたりとか――お料理落としたら大変なので……」 「――へぇ。面白いな、それ。やってやるよ」 「えっ……!? だ、だからそれはっ……!」 「ふん。冗談に決まってんだろ。そんないつでもできること、わざわざやりにいかねーよ。……ま、様子は見に行く……けどな」 「司はカメに悪い虫がつかないか心配でたまらないんだよ。おまえはモテるからな」 「い、いえ、ぼくは司さまひとすじなので――」  ぽっと頬を赤くする椿。  滑らかな椿の頬をそっとさすった司は、 (すげぇ可愛い――)  心のなかでバタバタ悶絶する。 「よし、いまからでかけるぞ」 「え?」 「バッグのお礼になんか買ってやる。……そうだな、来月のバカンスに使う旅行バッグでも見てくるか。アニキわるいけど――」 「はいはい。おれは運転手でしょ。おまえらは後部座席でいちゃいちゃしてなよ」 「――サンキュー」  立ち上がった司は椿の手をとり、その手の甲にそっと口をつける。  ――その日、司は、もらったバッグの10倍もの金額のバックを、椿にプレゼントしたのだった。 (番外編:ケツマンコ奴隷カメの恥辱動画配信 終わり)  

ともだちにシェアしよう!