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プロローグ
これは、僕こと『夜叉帝 漆津夜(やしゃてい ななつよ)』が、下界で出逢った男性に、恋する予感を感じた物語である。
謂わば、赤裸々な小説。
だって…。
僕、彼を見た時に、ふっと、やりたい事を見つけたから。
現代に生きる人間が、愛読する本に、触れた時、ビリビリと、電撃が走った。
ー…これは!!!
思わず、手に取ったのは、絵柄がエロテックさを感じさせる。
一冊の本だった。
黄泉の國でも、叔父が、持ってきてくれた薄い本が存在するのは、分かっていたけど。
これが、男性同士の恋愛模様を、描く、小説。
内容を、読むのは、初めてだけど、凄く、気になる。
一ページ目を捲れば、絵と、一緒に、文章が、書かれてあった。
それを、瞳に、入れた瞬間、僕は、新たなる、世界の扉が、開いた。
面白味があり、内容も、中々、ガッツリ。
しかも、ドタバタコメディーや、切ない物から、ギャグ、SFファンタジー、現代物に、獣系。
今、流行りの、オメガまで、あるじゃないか。
下界、最高!
なんて、思ったのは、内緒。
そういや、叔父が、言っていた気がする。
『ソナタの祖母様の弟君は、天界に居る“貴腐人”と、仲が、良くって、世に云うBLという、ジャンルを、母君に、プレゼントしていたと、聞く…』
僕の母親、天然記念物なんだよなぁ。
それも、大叔父と、並ぶくらい?
否、もっと、次元超えて、異次元に突入している感じ?
太陽と、月が重なる、皆既日蝕みたいなレベル。
とりあえず、伽の意味も、知らなかった、純朴男性だった。
僕なら、有り得ないけど。
習う事は、習う。
父は、ちゃんと、教えてくれた。
女性と、ヤる時…。
ー…男性と、ヤる時。
そして、ある人物に逢って、古代のやり方まで、徹底的に教えてくれたけど、一つだけ、注意点。
『決して、夢霧には、聞くなよ』と、念を押された。
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